MP3が「VOCALOIDトラック」を持つ日
ITmedia岡田記者によるインタビュー記事、瀬名秀明に聞く「仮想世界」「ケータイ小説」「初音ミク」を読みました。
このなかで、おもしろい指摘が。
初音ミクは、人の感情を表現する「楽器」として、発展を続けると見る。「例えば、いつか初音ミクがフリーになった時、人々はピアノを弾くようにミクを使うかもしれない。将来は小学校で、VOCALOID(ヤマハの音声合成ソフト。初音ミクにも使われている)にまずお手本を歌わせるかもしれない。今後すべてのPCにデフォルトで入って、iTunesで落とした曲はすべて自分で好みのボーカルに変換できるかもしれない」
どうすればこういうことが可能になるでしょう?
MP3ファイル(AACでもいいけど)に、ボーカルトラックというのを追加して、メインボーカル部分を独立させ、そこにVSQファイル(実際にはMIDIトラック)を入れておけばいいのです。
このトラックをミュートすればカラオケになるし、そこを適切なVOCALOIDで同時再生できるようにすれば、ある曲のボーカルのみを初音ミクで、鏡音リンで、というのが可能になります。もちろん、カラオケのガイドボーカルにもなるわけです。
いまでも、バック演奏のMP3ファイルとVOCALOID用のVSQファイルを別々にダウンロード可能にしている作者がいますが、これが1つのまとまったフォーマットになり、PCに再生環境が整えば、瀬名秀明氏の想像は、即座に現実へとなるはずです。まあ、ミクの声はともかく鏡音リン・レンは、DAWで相当の加工をしているのが普通なので、そう簡単にはいかないかもしれませんが。
VOCALOIDのOSレベルでの実装。それを実現するのはWindowsになるのか、Macになるのか、それともまったく別のOSなのか。ミュージシャンの戸田誠司氏は、サンレコのコラムで、DAWソフトにはすべてボーカルシンセが実装される、というのを予想していました。OSが先か、DAWが先か。その日はいつ、やってくるでしょうか? OSレベルで初音ミクが実装されることになったら、本当のシャロン・アップルが生まれるのかもしれません(マクロスプラス観たばかりなんで影響強くてすみません)。
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