「データ・セントリック社会」について
経済産業省は2016年7月27日、「産業構造審議会 商務流通情報分科会 情報経済小委員会 分散戦略ワーキンググループ(第6回)」を開催し、オープンなデータ流通構造に向けた環境整備について、検討が行われています。
前回のブログで、「データ・オーナーシップ」について紹介しましたので、本ワーキンググループの事務局資料の参考資料としての将来像の「データ・セントリック社会」について、少し紹介したいと思います。
本ワーキンググループで示している「データ・セントリック社会(将来像)」は、
① 今後より一層、IoTが進展し、膨大なデータを適切に処理することが強く求められ、データ中心のアーキテクチャーへの変化が加速する可能性。
② 例えば、自律分散型のオープンなアーキテクチャーの進展とともに、データにトレーサビリティがひも付けされた上で、様々なノードに分散され、データの物理的な「場所」自体は意味を失う可能性。利用者は、現在のように、特定のクラウド上のデータにアクセスする必要はなくなり、利用権を持つ最も近くにあるデータにア
クセスすることになる(データの「仮想化」)。
④ AI等により各ノード間で自律的にデータのやりとりが行われ、その利用履歴や取引の決済等は、管理者不要のブロックチェーン技術を用いて管理がされ、データ・セントリックなIT構造が実現されていくことになる。
としています。
データ・セントリック社会のデータ活用のイメージを紹介しています。
① A氏(日本・東京)は、B社(イギリス・ロンドン)からデータαの利用権を購入。
② データαは(仮想的も含め)アメリカ・ワシントン、フランス・パリ、日 本・大阪に分散され、アクセス可能な状況にしている。
③ A氏は、利用権を用い、日本・大阪のデータにアクセスする※ 。
④ このように、データが、分散管理され、利用権により利活用される社会が 到来することが期待される。
出所:産業構造審議会 商務流通情報分科会 情報経済小委員会 分散戦略ワーキンググループ(第6回) 2016.7.27