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データサイエンス・アドベンチャー杯、金賞は「未来のデータサイエンティストを探せ!」に

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2014年3月8日、「All Analytics Championship Powered by SAS® ~データサイエンス・アドベンチャー杯~」の本選が開催されました(ニュースリリース)。

本コンテストは、ビッグデータ、オープンデータおよびそれらを分析・活用するアナリティクスのさらなる普及に向けてデータサイエンティストを育成する機会を提供するため、分析アイデアや分析スキルを競い合うものです。参加者は総勢200名を超えるなど、ビッグデータおよびオープンデータの解析に関わる関心度の高さが伺えました。私も審査員のメンバーとして参加をしてきました。

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エントリー総数86チームから最終的に応募のあった34作品から予選審査を通過した8チームが本選に参加しています。

金賞は、チーム“UNAGI”の作品「未来のデータサイエンティストを探せ!~研究分野遷移から見た人材マッチング~」が受賞しています。JSTの文献データなどから学生時代や企業での専門分野の変遷をたどり、学生時代の専門分野から見台のデータサイエンティストの人材を探索するという取り組みです。

現在、企業におけるデータサイエンティストの人材不足が指摘されている中、こういった人材発掘やマッチングのアプローチは重要となっていくでしょう。

アイデア賞の、チーム“北海道札幌旭丘高等学校 生物部”の作品「「生物多様性を探るために」~トンボの統計解析からわかったノシメトンボと生物多様性について~」は、シメトンボの多様性に関わる分析と提言についてしっかりとまとめられており、高校生1年生ながら、しっかりとしたプレゼンテーションで会場を驚かせていました。

受賞一覧は以下のとおりです(関連リンク)。

【金賞】(一般部門の1チームが受賞)

●チーム名:UNAGI(東京ガス株式会社)
●作品名:「未来のデータサイエンティストを探せ!~研究分野遷移から見た人材マッチング~」
●賞金・副賞:15万円、賞状・トロフィー、記念品
●審査員による選評:「学生時代の論文と企業就職後の論文を比較し、その間の専門分野の移動からデータサイエンティストの候補を発掘しようというアイデアは卓抜である。今各方面で求められているデータサイエンティストのなり手を、高い確率で見つける一つの手段として説得力がある。データサイエンティストに限らず、他の専門職人材を探すためにも適用できる方法である。JSTのデータベースの特徴を活かしている点でも出色である」

【銀賞】(一般部門の1チームが受賞)

●チーム名:技術動向観測隊(オリンパスソフトウェアテクノロジー株式会社)
●作品名:「企業に着目した共同研究ネットワーク構造の解析と非連続的成長の予測」
●賞金・副賞:10万円、賞状・トロフィー、記念品
●審査員による選評:「論文の共著関係から企業の共同研究を抽出し、それを企業の非連続成長として捉えてJST科学技術データと産業との関係を結びつけた着眼点は現実的かつ説得力がある。分析という観点では基礎集計、解析によるFACTの抽出に留まる作品が多い中、モデル化と予測まで踏み込んでおり、活用方法を具体的に示すことでデータの価値をさらに高めている。また予測結果の検証までの分析プロセスを完了して、プレゼンテーション資料として纏め上げている点も評価でき、他と比べて完成度の高い作品である」

【銅賞】(一般部門の1チームが受賞)

●チーム名:HSE研開部(株式会社日立ソリューションズ東日本)
●作品名:「研究力の向上と実社会の発展の関係分析」
●賞金・副賞:8万円、賞状・トロフィー、記念品
●審査員による選評:「実社会の発展において各研究がどのような成果をあげているかを社会還元力として潜在変数化し観測変数間などとの因果関係を仮定したモデルを構築した点や、テーマ選定/分析手法(共分散構造解析分析)の選定/仮説の設定/データ収集/モデリング/分析結果/仮説の修正とモデル改良/再分析・評価/考察による適切な分析プロセスを用いて分析と検証をしていた点が評価される」

【アイデア賞】(一般部門/U-18部門のいずれか1チームが受賞)

●チーム名:北海道札幌旭丘高等学校生物部 (北海道札幌旭丘高等学校生物部)
●作品名:「生物多様性を探るために」~トンボの統計解析からわかったノシメトンボと生物多様性について~」
●賞金・副賞:5万円、賞状・トロフィー、記念品
●審査員による選評:「普段の活動で作られているデータと、JSTのデータを組み合わせているユニークな提案です。また、予備的な分析によってターゲットを絞ったうえで、実際の分析につなげる流れは研究のプロセスそのものであると言えます。すべての応募を見てもこのような形で提案されている例はほとんどなく、その点を高く評価します。今後、試行錯誤を重ねることでよりよい成果につながるだろうとの期待からアイデア賞に選定したいと思います」

【U-18賞】(U-18部門の1チームが受賞

●チーム名:埼玉県立熊谷女子高等学校 (埼玉県立熊谷女子高等学校)
●作品名:「大学のそこんところ ~おカネと人と論文と~」
●賞金・副賞:5万円、賞状・トロフィー、記念品
●審査員による選評:「埼玉県立熊谷女子高等学校(大学のそこんところ おカネと人と論文と)U-18賞おめでとうございます。データ数が多いので分析は大変だったと思いますが、よくまとめられていると思います。データを解析することで、新たな価値を創造し、新たなモデルを考える力を育成してください。STAP細胞の発見もまた女性でした。理系女子として是非とも今後活躍されることを期待しています。女性が活躍する日本社会は本当に素敵な世界です。データサイエンスの世界から女性の活躍の場を広げてください。U-18賞、本当におめでとうございます」

【入賞】(予選通過者のうち3チームが受賞)

●チーム名:Terano Lab.(東京工業大学)
●作品名:「論文の共著関係ネットワークの中心性分析」
●賞金・副賞:5万円、賞状・トロフィー、記念品
●審査員による選評:「研究者間のつながりを見出すという取り組みは、提供データの特性を活かしたものであると同時に、異分野横断の可能性などを示す有用な分析だ。ネットワーク分析から得られた「コア人材」結果が妥当であるのか、当該分野の人にインタビューするなど、深堀り分析に期待したい」

●チーム名:広島市立大学(広島市立大学)
●作品名:「ニュース記事と特許を利用した科学技術の重要性の評価」
●賞金・副賞:5万円、賞状・トロフィー、記念品
●審査員による選評:「プロの仕事を感じさせる分析ツールの活用をこれまでと違う領域のテーマに適用している点は興味深い。今回はツール先行であるが、ニーズ側からの探索をしつつ、最適な適用領域の検討を期待する」

●チーム名:健マネ(慶應義塾大学 大学院 健康マネジメント研究科)
●作品名:「研究活動の年次推移および人々の生活実感への影響に関する分析」
●賞金・副賞:5万円、賞状・トロフィー、記念品
●審査員による選評:「「環境関連の研究はマーケットイン」という分析は、意外性とともに納得感のある結果で膝を叩いた。社会全体の高齢化・縮小化が進む中で、「我々にとっての健康で幸福な状態とはなにか」を問う有望なテーマであると考える。今後の野心的な分析、社会提言を期待したい」

 

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