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“She is so Apple”──新リテール責任者、好調なスタート

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Apple関連のブログメディア9TO5Macに、Appleの新リテール責任者、アンジェラ・アーレンツ氏(53)についてのかなり長い記事が載っていました。

Angela

この部ログのタイトルにある「She is so Apple(彼女はすっごくAppleっぽい)」というのは、リテール関係のある幹部が9TO5Macに語ったアーレンツさんに対する最上級の褒め言葉です。少なくとも今のところ、リテール関連の従業員の支持はしっかり獲得したようです。

幸運なスタートとは言えます。

なにしろ、“Apple Storeの父”と呼ばれ、ジョブズの信頼も篤かったロン・ジョンソンがJ.C.PenneyのCEOになるために2011年6月にAppleを去った後、ティム・クックCEOが2012年2月に採用して10月にクビにした悪名高きジョン・ブロウェット氏の暗黒時代(これについてはもうすぐ日経BPから出版されるHaunted Empire: Apple After Steve Jobsの翻訳書を参照のこと)、そしてその後の厳格なクックCEO時代の後ですから、リテール関係者はよほどの人でなければ歓迎するでしょう。

でも、それだけではなく、アーレンツさんはなかなかの人みたいです。

最初、経歴を見た時は、ダナ・キャラン、リズ・クレイボーン、バーバリーとおしゃれなファッションブランドの偉い人を歴任している洗練された女性、というイメージでしたが、実はインディアナ州ニューパレスティーンという米国のど田舎(ごめんなさい)出身。

そこからおされなファッション業界でのし上がるには「アグリー・ベティ」並みの苦労があったんではないかと。下はGoogleマップで見たニューパレスティーン。住宅と畑ばっかりです。

Newpalestine

アーレンツさん、5月にリテール&オンラインストア担当上級副社長に就任してすぐに、アグレッシブに部下たちと話し合い、各地のApple Storeを訪問し、その人柄でたちまち従業員を魅了しました。

さらに、明確な3つの目標を提示しました。それは、

  • 中国市場の重視
  • モバイル決済システムの改善
  • Apple Storeのエンドツーエンドの営業経験の根本的な刷新(ってよくわかんないですが) 

これを実践できるかどうかはこれからの話ですが、リーダーが目標を提示するのって大事ですよね。

アーレンツさん、言うことも気が利いてます。「私はバーバリーでMBAを取得したけど、Appleでは博士号をとるつもり」だって。

なんにせよ、これからのAppleはiWatchのようなファッション性も問われる製品も扱っていくわけですから、アーレンツさんの今後のご活躍に期待します。

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