GoogleがVerizonを疑う理由
3月に終了した700MHz帯競売に関して、GoogleがFCC(米連邦通信委員会)に嘆願書を提出し、Cブロック落札者Verizonにオープンアクセス条項を守らせるよう要求しています。
700MHzのCブロックには、落札者にネットワークをあらゆる端末、アプリケーション、サービスに開放することを義務付ける「オープンアクセス条項」が付いています。落札者であるVerizonはCブロック周波数帯を使ってスーパー3Gネットワークを構築する計画ですが、これを他社の端末やサービスにも開放しなければなりません。
しかしGoogleはVerizonがこのルールを守らないのではないかという疑いを持っています。「ルールなんだから守らざるを得ないのでは?」という気もしますが、Googleには疑うだけの理由があるようです。
まず、Verizonは当初オープンアクセス条項に反対し、FCCに対して訴訟まで起こしていました。訴訟はその後取り下げましたが、「2ドアコンセプト」なるものを提案。Ars Technicaによると、2ドアの1つ目のドアは「ルール通り、どんなデバイスにもネットワークを開放する」、2つ目のドアは「Verizon加入者のためのドアで、通信品質などを保証する」。つまり「他社の端末を受け入れるが、自社の加入者にだけ品質を保証する」。一応オープンとは言えそうですが、中立的とは言い難いような。
Verizonのスーパー3Gネットワークが稼働するのは2010年ごろ。議論する時間はまだまだあるので、建設的な解決策を期待したいです。
以上、広瀬でした。
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