「iPodの敵」はジョブズの写真を飾り、G5を使い、iPodを9台使っている
最初のバージョンは各所で酷評されているZuneですが、その背後に控えている人物評を読めば、Appleが十分に恐れておく必要があることが分かるでしょう。その人物とは、Xboxを成功に導いたJ・アラード氏。BusinessWeek Onlineの記事“The Soul Of A New Microsoft ”にその非常に興味深い人物像が描かれています。この記事が掲載されている最新号では表紙にもなっています。
1994年、入社後わずか3年の25歳の若造であったアラード氏は当時のゲイツCEOに「The Next Killer Application on the Internet," which found」と題されたメモを送り、インターネットのチャンスと脅威について警告しました。その後、Xboxの原動力となり、Zuneプロジェクトをスタートしたのは既に報じられているとおりです。
従来のMS幹部像とは違ったなかなか面白い人物のようですね。iPodを9台(もちろんZuneも)を使い、メインのPCはPower Mac G5。隣にはPCもあるそうですが、あまり使われていないそうです。デスクの中央にはスティーブ・ジョブズ氏の写真が飾られているというのがなんとも。ということは、Appleの戦略や製品は十分に研究されていると考えるべきでしょう。
この記事には、MSが任天堂買収を検討していたのをアラード氏が強硬に反対してインハウスで開発することを主張したことなども書かれています。
この記事のサイドストーリーは、BusinessWeekのポッドキャストで聞くことができますが、「iTunesの使用を強く推奨します」と書かれています。実のところ、Zuneにはポッドキャスト機能がなく、iPodderやFeedYourZuneといったサードパーティ製ソフトを使う必要があるのです。
Zuneに関してはComputerworldからも大型記事が上げられています。“Zune: So you want to be an iPod killer”ではZuneがうまくいっていない問題をハードウェア、互換性、ユーザビリティの各点について列挙しています。もっとも、これらはすべて修正可能だと付け加えていますが。
そのうえで、iPodに対抗するにはiPodのように美しく、エレガントでシンプルなものを目指すのではなく、徹底的にWindows PC的なものを作る必要があると提案しています。つまり、Zuneをサードパーティやユーザーに開放し、自由にアプリケーションを作らせればいいと。こんなふうに:
Let people transform the Zune into an Xbox game controller, a TV remote control, a portable presentation device, a wireless PC hard drive or a Vista gadget emulator. Give me a wireless keyboard and a Zune version of Pocket Outlook, and I'll never buy another iPod. Build ClearType into Zune and make it the ultimate eBook reader (and sell eBooks on Zune Marketplace).
・多機能リモコンになる
・Vistaのガジェットを持ち歩ける
・Xboxのゲームが動く
といったあたりはわたしの予想と同じ。
ITmedia特集:目指すはiPodキラー:ベールを脱いだMicrosoftの「Zune」
以上、休日なのに家でお留守番の松尾でした。