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アップルペイ・キャッシュカードを金融庁は認めるか

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アップルペイ・キャッシュカードって何ができるの?

うん? 様々な電子マネーや様々な銀行口座間の個人送金や個人の送金受領がアップルペイ・キャッシュカードのネットワークを通して自由にできるんだよ・・・。

でででで電子マネーと銀行口座が対等に送金できるうううぅぅうぅ??

ええええええぇええぇ!! それってインドのモジ政権の通貨改革と一緒じゃん!!^^

日本の金融庁認めるのかよ・・・

認めなければ・・当然、トランプさんが 圧力掛けてくるよ 

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<出所 テッククランチ  >

 アップルの開発者会議WWDC2017が行われています。ARKitやスマートスピーカーのホームポッド(349ドル)などが注目されていますが、筆者が面白いと思っているのはアップルペイ・キャッシュカードです。アップルペイは2017年内に米国の50%の小売店が導入する見込みと発表し、次は個人間送金が重要だと言うことでアップルペイ・キャッシュカードが新サービスとして付け加えられました。これで学生に人気の個人間送金用のサーバー型電子マネーVenmo(ペイパルが買収済み)に対抗します。iMessageと一体運用をします。(おおお、ラインペイ、大変じゃん)

■ インドにおける通貨改革

2016年11月の1000ルピーと500ルピーの廃止(当時の全流通通貨の86%)が有名ですが、インドの通貨改革は現金の流通を減らしてキャッシュレス社会の実現を目指しています。(2023年に50%を切る)その為、通貨改革後、ペイテイムなどのサーバー型電子マネーが物理店舗で一挙に普及しました。(ペイテイムの利用者は一挙に2億人に増加、毎日2万店舗が参加)そして2017年4月、ペイテイムは支払い銀行のライセンスを与えられ、普通口座で金利を付与できるようになりました。ペイテイムに預り金を置いて、当分使わない資金を普通預金で金利運用できるようになったわけです。そればかりか、イン決済機構(NPCI)に直接参加し、銀行と対等に相互送金ができるようになりました。

地方銀行や信金の保護の保護を重視し、キャッシュレス社会を意識していない、消費の80%が現金である世界一の現金大国(脱税の温床)になんとも思わない日本の金融庁の視点からは、全銀ネットにラインペイやAUウオレットなど電子マネー事業者を参加させるなどと言うことはちょっと考えられないことだと思います。(流石に経産省はアベノミクスの成長戦略にキャッシュレス社会実現指標を入れるようですが)

■ アップルペイ・キャッシュカードの破壊力

このサービスは一種の為替取引(資金移動サービス)であり、アップルが対応するとなれば、とてつもなく大きな破壊力を持っています。米国では為替取引は銀行の専用業務ではない為、銀行の送金ネットワークに直接、ペイパル(サーバー型電子マネー)などが参加しています。従ってアップルペイ・キャッシュカードを使えば、電子マネーであれ、銀行の口座送金であれ、様々なサービスからサービスへの直接送金が手数料なしで可能となります。現在ではペイパルなどはアップルペイをライバル視している為、参加しないでいるだけです。

■ アップルペイ・キャッシュカードを金融庁は認めるか?

アップルペイ・キャッシュカードが日本でもサービスを開始すれば、一体何が起こるでしょうか?ちょっと手数料の話はおいておいて、技術論からいえばサーバー型電子マネーと銀行口座の間で自由な送金ネットワーク(アップルペイ・キャッシュカード)が出来上がったことになります。

このためにはアップルは金融庁から①為替取引と②前払い式支払い手段の二つの登録を同時に行うことを求められるはずです。(過去のラインペイなど参照)

これは飽くまでも手続き的な技術論です。

■ 様々な電子マネーを使った送金が可能となる

アップルペイ・キャッシュカードの国内サービス開始は一体何を意味するのでしょうか?

  アップルペイ・キャッシュカードのネットワークを通せば、様々なサーバー型電子マネーから様々なサーバー型電子マネーへの送金、様々な銀行への口座送金が可能となります。当然、様々な電子マネーや様々な銀行口座から送金を受けることも可能になります。

これはブロガーが「マスコミが占有していた記者クラブの会見に参加する」ような破壊的なインパクトがあります。当然、1対1の交換比率を持つ仮想通貨を名乗る、今後銀行などが発行する仮想通貨(実質は一種の電子マネー)も対象になります。

■ ICカード型電子マネーの衰退

アップルペイ・キャッシュカードが普及すれば、財布間の送金ができないICカード型電子マネー(ガラパゴス電子マネー)は魅力がなくなり、確実に衰退するでしょう。

スイカなどが一挙に口座やウオレット(財布)の概念を入れてくるかもしれません。既に楽天EDYは夏にアップルペイに対応すると言っているのでアップルペイ・キャッシュカードにも対応するかどうかが見ものです。

■ 本当に金融庁はアップルペイ・キャッシュカードを認めるか

国内のスマートフォン販売の4割前後を占めると言われるアイフォンですから、アップルペイ・キャッシュカード導入のインパクトは非常に大きいと思われます。特に地方銀行や信金は嫌がるでしょう。従って金融庁がブロックしてくる可能性もあると思います。(現在の改正資金決済法は前払い手段の銀行口座払い出しを原則、認めていない。但し、金融庁(内閣府)の飽くまでも裁量で一部のサービスに実質許可している)

 

  経産省の推奨により、2017年6月のアベノミクスの成長戦略にキャッシュレス社会度数が入るようですが、このあたりこれから見ものですね。恐らく電子マネーからの銀行払い出しに手数料を付けて認めるのかもしれません。これは他行のATMを銀行間でお互いに利用できるようにした時のやり方です。

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