オルタナティブ・ブログ > インターネットの第二の波とソーシャルメディアマーケティング >

テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

日本型アップルペイは何故決済で必ず電子マネーを通すのか

»

 日本でのアップルペイの中心議論はなんだったの? フェリカ以外に・・・・

 それはね、改札処理だよ・・・英国の地下鉄はアップルペイでは登録クレジットカードでそのまま通れるし・・・

 JR東日本はスイカ(電子マネーと定期券の組み合わせ)を主張したんでしょ!! 当然・・・

 出口が電子マネーと言う基本形ができたんだね・・この議論で・・・

 そのうち、システムが安定すればクレジットカードのViewカードもアップルペイのスイカ側にに登録して、オートチャージ始めるね 

 きっと・・・

suica003

<出所  Viewcard>

日本型アップルペイは2016年10月末、国内に登場します。その特徴は決済時に必ず電子マネー(サーバー型電子マネー)を経由する点でしょう。日本型アップルペイにより、スイカをはじめ古いIDやQUICKPAYはサーバー型電子マネー(フィンテック法案の言う仮想通貨とほとんど変わらない)に化けました。

■ 何故全ての決済に電子マネーを通すのか?

グローバルスタンダードのアップルペイ(英米などグローバル市場で普及が広がるアップルペイ)と比較して日本型のガラパゴスアップルペイの特徴はフェリカチップの他に、すべての決済で電子マネー(スイカ、ID、QUICKPAY)を通す点にあります。

その結果、クレジットカードもプリペイドカードもお金(バリュー)が、そのまま決済されることはなく、必ず電子マネーに転換後決済されます。

では何故こういったスタイルをとったのでしょうか?少し考察してみました。

■ JR東日本、アップル、NTTドコモの共同開発

日本型アップルペイはJR東日本、アップル、(NTTドコモ)の共同開発と言われています。そうであれば、日本型アップルペイの議論の中心はJR東日本の改札処理が恐らく最も柱になったと考えられます。さて英国の地下鉄は、「アップルペイではクレジットカード決済でそのまま改札を通り抜け」られます。これは物理店舗の決済と全く同じです。

しかし日本型アップルペイ開発に全面協力したJR東日本の第一の興味は、改札の後ろの情報システムの防衛にあったと考えられます。大枚を投資し、長年かけて築きあげた情報システムを触りたくなかったと考えるのが自然です。(ここを触らないでスイカをサーバー型電子マネーに衣替えできればそれは確かにすごいことです)その結果、改札での情報処理はスイカやスイカの定期券利用が基本となりました。必ずスイカの仕組みやスイカの電子マネーを通す方法を強力にごり押ししたと考えられます。

今回改札のクレジットカード決済(ViewカードやViewカード系ビッグカメラのカード)は、認められていませんが、日本型アップルペイの運用が安定した段階で自動チャージとしてクレジットカード決済を入れてくるでしょう。(機能追加)

■ 貫くアップルの美学、日本型アップルペイもシンプル

アップルの美学はユーザーインターフェイスのシンプルさにあります。そこでアップルは上述したスイカのやり方を基本として物理店舗決済を検討したのでしょう。その結果、スイカのように指紋認証を省略する(その代わり端末を個々の残高に紐つける)点だけを変更して、全体が指紋認証を加えた電子マネー決済になりました。クレジットカードやプリペイドカードをIDやQUICKPAYに登録して、それぞれ決済時にIDやQUICKPAYの電子マネーに変換して支払う形ができたと考えられます。

それにしてもNTTドコモの抑えもすごいですね、ほとんど鳴かず飛ばずだったIDをサーバー型電子マネーに転換してアップルペイに押し込みました。一部のブログによればソフトバンクカードのプリペイドカード(サーバー型電子マネー)はID転換されて決済されます。(下記Apple Pay(アップルペイ)で使えるクレジットカードを徹底的に比較!参照)

■ NTTドコモの不安と執念

NTTドコモはかつてiPhoneが出た時、ソフトバンクに抑えられ、ガラパゴス携帯を蹴散らされて市場シェアを大きく落とした苦い経験(トラウマ)があります。今回のアップルペイも前回ほどではありませんが、スマートフォンビジネスの大きな転換点です。

恐らくJR東日本を訪ねて嘗てiPhoneにiモードが蹴散らされた負け戦の話をし、JR東日本をアップルペイに巻き込み、アップルをフェリカで脅かして、全面協力と引き換えにスイカ方式を通し、自社のIDを押し込んだのでしょう。実に見事です。

スイカのサーバー型電子マネーへの転換、アップルペイをスイカで抑えた凄さは、アンドロイドペイでも発揮されるでしょう。

ロンドンの地下鉄ではアップルペイが成功していますが、果たして日本はどうでしょうか。

applepay0010

 <出所 Apple Pay(アップルペイ)で使えるクレジットカードを徹底的に比較!>

★★Apple Pay(アップルペイ)で使えるクレジットカードを徹底的に比較!

★★ UK CARD PAYMENTSB SUMMARY 2015

★★ ロンドンの地下鉄でApple Payでの支払いが可能に、だがトラブルも

★★ 「iPhoneかざせばロンドン地下鉄にも乗れる」 ロンドン・パリではコンタクトレス決済対応が当たり前に

★★ビックカメラSuicaカード

★★「ビュー・スイカ」カードを申込む

Comment(0)