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中国アリペイのグローバル戦略

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 実はアリババをアマゾンやeBayと対抗するにあたってアリペイがカギを握ってるんだよ。

 アリペイがあれば物理店舗でも稼げるしね。

 ああああ・・・だから孫さんがアリババ上場時のアリペイ切り離しに怒ったんだね ^^

 各国で地場電子マネーを立ち上げるの? アリペイを使って・・・??? (うん)

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<出所 BI >

★★ Alibaba is expanding its presence in Australia

★★ Alibaba Group Names Michael Evans as President

<出所 BI >

2016年夏には欧州(英国、ドイツ、フランス、イタリア)に上陸し、2016年中には豪州シドニーにアリババがオフィスを構え、アリペイも豪州に普及させる戦略を打ち出している中国アリババ系の電子マネーアリペイです。既に上海への上場準備も整っていると報道されています。

ご存知のように親会社のアリババは2014年9月にニューヨーク証券取引所に上場しています。そしてその後10年以内に売り上げの50%を海外で稼ぐとジャックマーCEOは宣言しています。一方アリペイを運営するスモール・アンド・マイクロ・ファイナンシャル・サービシズは2016年中の上場を計画しています。総じてアリババの中国人観光客対策や越境EC戦略の一環として海外にもアリペイを普及させる戦略に出ています。

■ 5年―10年で20億人の利用が目標

Alipay Internationalのサブリナ・ペンさんは欧州のデンマークで行われたMoney 2020 fintech conference において5年から10年でアリペイの利用者数を20億人にすると発表しています。その一環として欧州でのアリペイ利用開始があり、豪州でも早晩、アリペイの国内普及が始まります。既にインドでは地場電子マネーと提携しアジアに拡大中であり、韓国や日本にも上陸を果たしています。

アリペイの戦略は以下の通りです。

①  中国観光客の爆買対応の為、アリペイを海外で普及

②  越境EC(中国からの輸出入)の為、アリペイを海外で普及

③  各国の地場企業と組んで各国で電子マネーサービスを立ち上げる。

■ アリババ戦略の一環

アリババはニューヨーク証券取引所に上場し、売り上げの50%を海外から稼ぐと宣言しています。そうなればアマゾンやeBay、楽天などとまともに競合することになります。

アマゾンはプライム会員制度を充実させて顧客の囲い込みを実施しています。電子マネーは未だ活用していません。(計画はあるようですが)一方eBayはC2Cから入っている為、顧客層がアマゾンより一つ下と考えられ、その為、クレジットカードに加えて電子マネーPayPalを活用しています。アリババの場合にはB2Cの天猫とC2Cのタオバオを抱え、同時に中国の消費者保護法があるため、エスクロウサービスに適したアリペイ(電子マネー)の活用が成長しました。

B2Cの市場を押さえ、顧客の質からいってクレジットカードやデビットカードで対応したアマゾンに比べて、C2Cからサービスを開始したeBayやアリババは、クレジットカードだけでは不十分なためサーバー型電子マネーと言う「地球の月」のような存在を抱えています。そしてフィンテックの時代を迎えて、サーバー型電子マネーの存在が今後の国内ECや越境ECにとって非常に重要な存在になり始めています。

■ コリアンペイやジャパンペイも登場か?

アリペイは今後様々な地場のサーバー型電子マネーとの提携や現地企業との提携を通じて韓国のコリアンペイ(相当進んでいるようです)や豪州、欧州、アジアなど地場でのサーバー型電子マネーの普及を狙っています。越境ECには欠かせない存在になり始めています。それをメッセージサービスから出たWechatPayとLinePayがアジアを中心に追いかけています。

既に日本にもアリペイ、WechatPayは上陸しています。

■ 注目はアップルペイやアンドロイドペイとのタイアップ 

既にサムスンペイはアリペイとタイアップし、中国でサービスを始めています。次はアップルペイの番でしょう。それがそのまま2016年秋、2017年にかけて日本に上陸してきます。(これは確実です)その時から国内決済の様々な仕組みが再度、ひっくり返る(ガラパゴス電子マネーのスイカ、ナナコ、ワオン、EDY)だけではなくクレジットカード各社の情報システムがひっくり返る、そして現金が消える時代が日本でも始まるでしょう。フィンテック法の後ろでひそかに規制緩和が進むサーバー型電子マネーが牙を研いでいます。

★★ Alibaba is expanding its presence in Australia

★★Alipay to launch in Europe as Alibaba steps up payments game

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