IoTを底で支える文化、バーニングマン2015は虫の大群で中止か?
昨年はこんなにきれいな 場面を演出していた 一週間の砂漠の中のお祭り バーニングマンですが・・・・
The Super Pool
Embrace
Lost Tea Party
<出所 ハフィントンポスト>
今年は 虫が一杯です・・・・どうするんでしょうか? 原因は不明とか・・・
<出所 ツイッター >
毎年砂漠の町、ネバタ州のブラックロックで開かれる芸術家の祭り、バーニングマンが、今年(2015年8月30日から1週間の予定)は虫の大群の発生で中止に追い込まれそうです。毎年、芸術家だけではなくグーグルの創業者二人を始め、多くのシリコンバレー関係者、ソフトウエアエンジニアが集う集会です。(無論、強行説もあります)
何故バーニングマンがIoTにとって重要かと言う訳は元来、「インターネットとパソコン文化はカウンターカルチャー運動(反体制運動)によって育まれた歴史」と言う伝統を今に伝えている為です。IoTに大きな影響を与えているオープンシステム、フリーなどの発想は、カウンターカルチャー運動の議論の中で始まっています。
■ アーパネットとパソコン産業の誕生とカウンターカルチャー
50年代末から60年代にかけてカリフォルニア西海岸のベイエリアは、反戦運動、ヒッピー、ドラッグ、ハッカー、コミューン運動や宗教運動やウーマンリブ運動、差別撤廃を唱える人権運動、更に人間性回復運動と呼ばれているヒューマーポテンシャル運動の拠点でした。特にスタンフォード大やカリフォルニア州立大はそうでした。ダグラス・エンゲルバード、フレッド・ムーア、アラン・ケイらは、ドラッグを試しながらアーパネットやパソコンを基礎づける研究をしていました。
これはまるでニュートンが錬金術を試す一方、ニュートン力学の体系を作り上げたのとよく似ています。
「政府のベトナム戦争に協力するメインフレームは敵だ、大企業に奉仕するIBMを打ち倒せ!!」と言ったエネルギーが彼らの研究の情熱を支えていました。
ITシステムの開発や運用において障害を起こさない、守りを第一とするメインフレーム文化と攻めを重視するゲームのようなインターネット文化の対立は、今でも時々ソフトウエア企業のオフィスで見られますが。
そして1968年のダグラス・エンゲルバートの構想の発表以来、IT技術による新しい社会作りや組織作り、人間性回復後の未来の社会の姿などが盛んに議論されるようになりました。
■ IoTによるモノ支配論理からサービス支配論理への移行もカウンターカルチャー
60年代の米国西海岸におけるカウンターカルチャー(反体制)運動は、ドレスダウンや多様性、そして企業内ソーシャルメディアなど様々な新しい文化を資本主義社会にもたらしました。そしてIoT時代に入って明らかに反体制の要素を持つ、(既存のメーカーが命を懸けたモノ支配論理を否定する)サービス支配論理の実現や雇われない働き方、オフィスにおける自己表現の保証、社員の創造性の発揮などがニューエコノミー、新しい資本主義文化の中心課題となり次始めています。
■ バーニングマンの意義
さてやがて90年代にパソコンと一体化したインターネットが社会に広がります。それを支えたのはユニックスやリナックスなどのオープンシステム(カウンターカルチャー運動の産物)でした。そしてインターネットは個人による情報発信から個の企業、現在では個人が企業や一般消費者からアウトソーシングで仕事を受ける「フリーランサー、雇われない働き方」の時代をもたらしています。そう言った動きは西海岸の芸術家が先鋒であり、そしてシリコンバレーの企業以家やソフトウエアエンジニアが続きます。それを象徴する新しい社会の在り方、組織の在り方、個の在り方が砂漠の祭り「バーニングマン」です。そのバーニングマン2015が中止に追い込まれるかもしれません。尚、グーグル創業者二人が目指す理想の組織の在り方はバーニングマンです。
★★The Burning Man site is infested with swarms of disgusting bugs
★★ Burning Man Riddled With Brutal Pest Infestation
★★An Exclusive First Look At The Other-Worldly Art Of Burning Man 2014