マイクロソフトはサーフェスタブレットもWindowsPhone8も日本パッシング、スマート革命の悪夢!?
<序文>
マイクロソフトの日本パッシングが鮮明になっています。従来からのパソコンと従来パソコンの後継機用にはWindows8を出荷しますが、中国でさえ発売されるWindowsPhone8はサムスンやノキア製も含めて国内では販売されません。また今朝の日本経済新聞では、自社製のタブレット「サーフェス」の年内国内販売は見送りと報じられています。マイクロソフトの「サーフェス」は、第4四半期に3百万台―5百万台分の部品発注があったとウオールストリート誌は伝えています。また「サーフェス」の値段も499ドルからとアップルの現行iPadより100ドル安いだけで、本気で稼ぐ値段です。
日本の国内の市場は、また日本メーカーは、それ程、魅力が無くなったのでしょうか?
★★ 米マイクロソフト、WindowsPhone8日本投入を先送り ノキアも販売見直し
★★マイクロソフト、タブレット「サーフェス」価格499ドルから
★★Microsoft Plans Large Volume Production of Surface
<出所:エンガジェット>
<ビジネスモデル転換に本気を示したマイクロソフト>
スマート革命は消費者=生活者の領域から始まり、次第にワークスタイル変革と言うことでビジネス領域に普及します。(嘗てのインターネットからイントラネットの流行、パソコンの企業への普及が好例。)
変化は最初、生活者領域から草の根的に発生し、次第にビジネスに広がります。
ところがアップルに代表されるスマートフォンの登場、タブレットの登場でスマート革命が本格的かつ予想以上に急速に始まり、一部大手企業ではiPadがどんどん採用され、その分ノートパソコンの市場シェアが下がり始めました。
これを立て直す為、マイクロソフトは原則論を持ち出し、アップル型の「スマート機器とサービス企業」への変身を宣言しています。
Windowsプラットフォームやオフィス製品をモジュール部品としての販売(水平分業)を続けながら、自社のスマート機器とサービスを閉鎖型(垂直分業型)で提供して、まずは生活者顧客を囲い込み始めようとしています。
サービス面では伝統的なズーンを置きかえるXBOXミュージックなどが発表されています。自社スマート機器の成功例はゲーム機のXBOXであり、それをスマートテレビにも転用し、サービスの拠点として作り始めています。
そして生活者の領域で一定の実績を付けてから、それを企業内=ビジネス領域に持ち込み、従来のビジネスを防衛する戦略と考えられます。サーフェスなどの実績によりiPadの企業内導入を阻止すると言うシナリオが考えられます。
<オープンと閉鎖の微妙なバランスによる優先順位>
アップルほど極端な閉鎖型戦略は、アマゾンもグーグルもマイクロソフトも取っていません。しかし各社共パソコン+ブラウザーのオープンインターネット時代にはなかった「オープンと閉鎖の微妙なバランス」を採用し始めています。その結果、一律のサービスやスマート機器の提供では無く、優先順位がつき始めています。
<日本メーカーはうるさい、保守的、市場も縮小気味、だから後回し>
また日本はメーカー数が多い割には、日本メーカーのスマート機器市場の占有率も下がり気味であり、欧米メーカーに比べて「うるさく、煩わしい」と言う特徴もあります。それだけスマート機器の品質重視とも言えますが、仕様では無くサービスが重要な時代には、これとて既に古い発想です。またスマートテレビの普及を見れば明らかですが、エコシステムが新しい事に対して否定的な環境です。特に家電敗戦が象徴的なように既存の企業の動きは明らかに保守的です。
そこでマイクロソフトは革新的な動きや実験的な動きに関しては、日本を素通りして、欧米や中国を優先することにしたと考えられます。
だから日本は従来通り、オパコンにおけるWindowsのバージョンアップ対応をしたと言うのは極めてスマート革命の理に叶っていると言えるかもしれません。