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スマート革命の不思議、マイクロソフトが日本でこの秋Windows8フォーンを出さないと決めた訳

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<序文>

 本日の日経新聞に出ていましたが、なんとマイクロソフトがこの秋、日本でWindows8フォーンを出さないと決めたそうです。NTTドコモの冬モデルなどで期待されていたWindows8フォーンが出て来ません。

この秋は需要の多い米国、中国、欧州を優先します。家電敗戦から立ち直ろうとしている日本メーカーには大ショックです。部品を回さないクアルコムと言い、マイクロソフトと言い負け犬の日本メーカーには興味が無いのでしょうか?

マイクロソフトはWindows8プラットフォームをオープンな有料モジュールとしてメーカーに販売し、売り上げを上げるのがビジネスのはずです。

だから日本のメーカーにスマートフォン版のWindows8プラットフォームを出荷しないのは、従来の常識に照らし合わせて全く腑に落ちません。

何故ならばこれはオープンシステム戦略の放棄に等しいからです。

先日発表されたマイクロソフトの戦略変更が影響しているのでしょうか?

 

 

★★米マイクロソフト、WindowsPhone8日本投入を先送り ノキアも販売見直し

★★ 最新OSスマホ、日本投入先送り マイクロソフト

 

★★ マイクロソフト株主への手紙

 

★★ Microsoft is now your 'devices and services' company

★★ Of course PC sales are in decline: Mobile is where it’s at

 

<スマート革命に対応した戦略変更>

 マイクロソフトはスティーブ・バルマーCEOが戦略変更を発表し、今後は(アップルと同様の)「デバイスとサービス」企業を目指すと株主に手紙を書いています。また各社の調査結果によれば2012年には2001年のドットコムバブル崩壊以来初めて、パソコンの出荷がグローバルに減少に転じます。

そうなればマイクロソフトは従来のオープンシステム戦略から、アップル型の「デバイスとサービス」企業への転身を急ぐ必要があります。

スマート革命の特徴は「オープンと閉鎖の微妙なバランス」にあります。例えばアマゾンはキンドルファイアー上で電子書籍や音楽、動画のサービスを支えていますが、他社にもアプリを出しています。しかし繋がり革命視点から最も使い勝手の良いのがキンドルファイアーと言う訳です。これがオープンと閉鎖の微妙な差です。

 

またARM用のプロセッサーを生産している米国のクアルコムは、シャープのアクオス・スマートフォンに対して部品を回さず、韓国のサムスンやLGなど大得意を優先したと言う報道がありました。従来ならば無理に量産してでも部品を提供した可能性があります。これもオープンと閉鎖の微妙な差です。

 

見逃し放送のHuluもアプリの開発にあたって、人気のデバイスから順番に差を付けています。

 

マイクロソフトもスマート革命に対応した、優先順位付け(オープンシステム戦略の放棄)を公然と始めたようです。

 

Windows8フォーンはマイクロソフトの成否を握っていると言われており、自社によるWindows8フォーンの開発の噂もでています。

パソコンの需要が減少に転じる中、マイクロソフトもスマート革命への対応、転身、ビジネスモデルの転換を急いでいます。

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