オルタナティブ・ブログ > インターネットの第二の波とソーシャルメディアマーケティング >

テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマート革命のシーンを描いた映画「イーグルアイ」

»

<序文>

 一人一台のパソコン+ケータイから一人が七台の多彩なスマート機器を活用するポストパソコン時代=スマート革命時代への移行期に当たって、色々な変化が起こり始めています。スマートカーへと進化する自動車の無人運転や飛行機の無人運転、クレーンの無人操作などもそれに当たります。スマートハウスにおける旅行先からのスプリンクラーによる庭の水撒き指示は既にお伝えしました。

さて米国ではスマート革命を実現するアプローチとしてシナリオアプローチがしばしば活用されます。シナリオアプローチとは、製品やサービスが活用されるシーンを描いて、それを実現する為のサービスやシーンを開発する手法です。

米国のインテルはシナリオアプローチ採用の有名企業ですが、スマートテレビを検討するに当たって映画「イーグルアイ」をシナリオとして採用しています。この映画「イーグルアイ」はスマート革命全体が齎すシーンとして考えれば秀逸ですので紹介します。総指揮はスチーブン・スピルバーグ氏です。

スマート革命が性善説をとっているに対して、映画「イーグルアイ」は性悪説を取っていると言う相違点はありますが。(映画「イーグルアイ」は2008年のドリームワークス作品)

 

 ★ 映画「イーグル・アイ」

 ★ イーグルアイ

Eagleeyeimg3_1222923299

<引用元:ピア>

 

<映画「イーグルアイ」とスマート革命>

 

引用

「私の言うとおりにしなさい さもないと死ぬことになる」突然かかってきた1本の電話。その瞬間から、コピーショップの店員ジェリーと、法律事務所で事務係として働くシングルマザーのレイチェルの平凡な生活は一変する。アリアという謎の女性に引き合わされたまったく面識のない男と女。彼らの愛するものを奪い、目的も知らせぬまま、次々と指示を伝え秒単位で行動させていくアリアは、二人を戻ることのできない恐怖へと巻き込んでいく…。

引用終わり

 

 主役の登場人物二人は理由もなくFBIから追われ、しばしばかかってくるアリアを名乗る謎の電話に従って逃走しますが、アリアを名乗る謎の電話の指示に従う限り、信号が勝手に青になったり、爆発事故から逃れたりします。二人は無人飛行機に追われたり、クレーンが行く手を阻んだりします。

謎の指示の多くは街中のあらゆるディスプレイ映像を活用して届きます。例えばマクドナルドのショーウインドウのテレビなどが活用されます。(これがスマートテレビのイメージです。)ショーウインドウのテレビの中に自分の子供が映っており、指示に従わないと子供に危害を加えると謎の電話は言います。

 

わかり易く申し上げれば、身の回りのあらゆる機械にアプリが入り、WiFiネットワークでクラウドサービスにつながっている為、謎の指示を出す人物により、自在に動かせるという想定です。謎の指示を出す人物は主人公の周りにある様々なスマート機器を自由に遠隔操作している言う想定です。

 

そして二人の主人公がたどりついたのは米国の国防総省でした。その地下の通称イーグル・アイには、あらゆるネットワークに通じたハイパー・コンピューター「アリア」があったと言う話です。謎の指示はアリアが出していました。

 

 

<スマート機器と繋がり革命>

さてスマート革命の要素にはスマート機器同士を繋いで会話させる「繋がり革命」があります。アップルのスマートフォンからスマートテレビに映像を流すエアープレイやベライゾンのタブレットから自宅の照明や防犯装置のカメラを操作するホームコントロールが有名です。実際、米国国防省はアフガニスタンにおいて無人偵察機を遠く離れた米国から、映画「イーグルアイ」に出てくる「アリア」のようなスマート機器を活用して操作して飛ばしています。

 

面白いのは2012年8月14日付けの日経産業新聞の記事「コマツの野望 製造業版グーグルへの道」でしょう。

 

油圧ショベルやブルドーザーの製造メーカー「コマツ」は2011年「コムトラックス」と言うITシステムを稼動させ、世界中に販売した建築機械の位置や作業状況を大阪の「グローバル販生オペレーションセンター」から監視しています。そして豪州では既に10台の建築機器をGPSと無線ネットワークで無人運転しています。もっとも操作は流石に大阪ではなく、納入先のリオ社の本社からコマツ社員が実施しているそうですが。

 

北海道の伊達市がスマートハウスで実現している「スマートフォンから送られてきた孫の写真をおじいさんがタブレットを操作して電子写真たて(タブレット)上に表示する」サービスも、基本的なコンセプトは同じと考えられます。つながり革命=M2Mとがシング2シングと言われている機器同士の会話です。

 

<謎の電話とスマートテレビ>

映画「イーグルアイ」ではマクドナルドのショーウインドウのテレビに自分の子供が映し出されたシーンの話が出て来ました。そこで一般の生活者の母親は「それなら勤務先から子供の帰宅の様子をタブレットでチェックで切るじゃん!!」とか「見たい時に見逃し放送を引き出してみればいいんじゃん!!」と考えました。その結果、米国では次第にスマートハウスやスマートテレビのサービスが普及しています。

 

欧米のスマート革命がどんどん進む秘密は映画「イーグルアイ」に代表されるシナリオアプローチにあると考えられます。

 

Comment(0)