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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマート革命とスマートカーの登場

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<序文>

 一人一台のパソコンから米国ベライゾンが予測する一人七台のスマート機器操作の時代へと技術システムの変化とそれに伴う「新しい個人コンピューティングの形」、「新たなイノベーションの形」が明らかになる中で自動車の事業領域では、スマートカーが注目されています。自動車のハードウエアがハイブリッドから電気自動車へと車が情報家電化する中で、車にセルラーネットワークの根が生え、茎が伸び、その上に娯楽やナビ、SNS、健康管理などのサービスの森が繁茂し始めています。

車の情報家電化の中でモジュール生産においてはドイツのフォルクスワーゲンが注目を集めています。しかしサービスの面からは国内家電メーカーと異なり、日本のトヨタも負けてはいません。

 

アップル対サムスンのパテント裁判の中などでアップルの故ステイーブ・ジョブズ氏がIカーに非常に興味を持っていた点が明らかになり始めてしますが、スマートカーは確実にスマート革命の一翼を担うサービスを提供し始めています。

 

★★ トヨタフレンド (トヨタによる説明)

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<引用元:トヨタWebサイト>

toyotacts_01.jpg

引用

クルマの状態や天気・オススメスポットなど、
お客様のカーライフをクルマのつぶやきでサポートします。

引用終わり

引用

プリウスPHVオーナー様同士がつぶやきを通して交流いただけます。

http://toyota.jp/priusphv/001_p_001/point/toyotafriend/images/cts_08.gif

引用終わり

 

<注目すべきトヨタフレンド>

 トヨタは2012年1月末、PHVのプリウスの購入者向けにセールスフォースドットコムと連携して、SNSの「トヨタフレンド」を開始しています。そのサービスには擬人化されたプリウス(プリ君)が車オーナーの友達として参加するなど非常に面白い仕組みです。そしてプリ君は、「もう直ぐ車検ですよ。」とか「今夜の充電は夜の12時からがいいですよ。」と言った呟きをオーナーに対して行います。

 

スマート革命の一つの特徴はスマート機器のインターフェースが進化して、所有者の友達型になるという点です。そしてこのインターフェースはソーシャルロボットと呼ばれています。予断ですがこの擬人化されたユーザーインターフェースの典型は「可愛い」と言われる自動掃除ロボットのルンバなどが典型です。

 

車の場合にハンドルに両手を取られる為、ナビや娯楽機器の操作も擬人化により近い音声操作が発達していましたが、トヨタフレンドなどの登場で「車は人の友達化」に拍車がかかり始めています。

 

さらにトヨタフレンドと連携してトヨタではWiFiネットワークを活用した車の自動診断なども実施しています。プリ君の呟きに反応してオーナーが車検を申し込んだ場合にプレ診断を遠隔で実施する訳です。

 

同様に米国フォードは同じ高速道路を走る車同士で「SNSのパーティ」を作り、「300メートル前の車がワイパーを動かし始めた」とか「急ブレーキを踏んだ」など車同士の呟きをドライバーと共有する構想を発表しています。

 

<ナビも娯楽も外部サービスから>

従来はカーライフのナビや娯楽は車の中に搭載されたカーナビやカーステレオから楽しむものでした。しかし車のハイブリッド化や電気自動車化を前にナビも娯楽もセルラーネットワークなどを経由した外部サービスから提供され始めています。GPSと連動した地図や音楽、映像などの提供がそれにあたります。また外部のメッセージを読み上げたり、外部にメッセージを送信するなどのサービスも音声操作で可能になり時はじめています。

 

ナビや娯楽の外部サービスは、車に内蔵されたダッシュボード経由で自動車会社が準備する形態(閉鎖型のアップル方式)とドライバーがBYODと言う事で自らのスマートフォンとネットワークを車に持ち込み、モジュール部品を組み合わせるオープン方式の二つがあります。

 

更にナビは進化を始めており、フォロントガラスの上に「目的のレストランの方向」を矢印表示するなど拡張現実を活用したサービスを登場し始めています。

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<出所:パイオニアによるプレスリリース>

 

スマートカーは今後どんな方向に進化するのでしょうか?

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