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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

進展するスマート革命の中で潰れたグーグルのテレビ広告事業とセットトップボックス事業

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<序文>

 一人一台のパソコンがブラウザー経由でインターネットに繋がるオープンなスタイルから、複数のスマート機器がアプリ経由でネットに繋がり、機器同士が会話するスマート革命の時代への移行が進む中、広告のグーグルが「テレビ広告事業を廃止する」と発表しました。グーグルに関しては同時に買収したモトローラ・モビリティのセットトップボックス事業(CATV向け)も外部に転売する動きも伝えられています。

パソコン+インターネットの全盛時代、広告ビジネスはグーグルにとってドル箱の事業でした。そのグーグルが「テレビ広告事業を廃止する」と発表したのは大きな衝撃です。またセットトップボックス事業はグーグルテレビを補完する事業となると言う見方もありました。

二年前グーグルテレビを大々的に発表したグーグルに一体何が起こっているのでしょうか?

 

★★ Why Google is going to sell Motorola’s set-top box bi

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<出所:ギガオム>

 

★★ An update on Google TV Ads

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<引用元:テッククランチ>
 

★★ Google to shut down TV advertising sales business

<広告のグーグルは何故テレビ広告から撤退するのか?>

 2007年から継続してきたテレビ広告事業をグーグルは辞めると発表しました。グーグルの広告事業が最も注目されたのは2010年秋にグーグルがグーグルテレビを発表し、米国地上波各社の一斉見逃し放送視聴阻止に直面した時でした。グーグルはピーク時700億ドルを超えたテレビ広告ビジネスに進出すると明言し、その結果、テレビ放送事業者の恐怖感を引き出したと見られています。(この反応は国内でも同様でした。)そして2年後の2012年8月末、グーグルはテレビ広告事業から撤退を発表しました。

グーグルの発表によれば見逃し放送などテレビ視聴が、複数のスクリーン(スマートフォン、タブレット、パソコン、車)などに分散を開始したからだと述べています。

これは明らかにスマート革命の進展を意識した判断です。テレビ中心のマスメディアと比較してインターネット広告は「アナログのドル、デジタルのペニー」と呼ばれるほど桁が小さなものでした。しかしパソコン+ブラウザー+インターネット時代にこのインターネット広告を独占的に売り上げたのがグーグルでした。

 

一方スマート革命はタブレットやスマートフォンなど小さな画面が対象の為、広告主はパソコン以上に広告効果を信頼しておらず、CPM単価はパソコンインターネット時代の五分の一と言う見方さえあります。グーグルは当初、スマートテレビ上の広告は単価が高いと踏んでいた節があります。しかしスマートテレビはスマートフォンやタブレットなどの複数画面で視聴され、複数画面が連携して視聴されるとなれば、当初予測していた程、スマートテレビ関係の広告売り上げは入らないと考え始めたようです。

その為、テレビ広告事業を諦めたと言うことなのではないかと考えられます。

<グーグルがセットトップボックス事業を諦めた訳>

 2011年夏、グーグルがモトローラモビリティの買収を発表した際、CATVの為のセットトップボックス事業はグーグルテレビの救世主になるだろうと言う見方がありました。しかしCATV側の対応は「セットトップボックスの仕様はCATV側が決める」と言った閉鎖的なものでした。これではグーグルがセットトップボックスを制作しても、グーグルプレイの映画や音楽が販売できません。

CATV側の対応は丁度、ガラケー時代の国内の通信キャリアのように各社が大まかな仕様を決め、全量引き取る代わりに国内メーカーは実質下請けになる状況に類似していたと考えられます。これはグーグルにとって受け入れられるコンセプトではありません。

その結果、グーグルは投資銀行のバークレイに依頼して買い手を探していると報じられています。

 

<広告からマイクロ取引、サービス販売、スマート機器販売へ>

 スマート機器の時代にはパソコン時代ほど大量に広告費が流れてこないと見られている為、広告ビジネス中心且つフリーの時代は終焉します。その結果、グーグルもグーグルプレイのマイクロ取引や各種サービス販売、グーグル製品=モトローラ製のスマートフォン、タブレット、スマートテレビなどの販売の方向に進まざるを得ません。

 

今回のグーグルによる(スマート)テレビ広告事業撤退とセットトップボックス販売事業の売却の動きは、そうした新たな時代の動きを象徴していると考えられます。

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