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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

日本にホームコントロールやスマートハウスと呼ばれるホームICTは定着するか!!?

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<序文>

 欧米ではスマートフォン、タブレット、スマートテレビの波の次にはスマートカーやスマートハウスのサービスが開始され、注目されています。

スマートハウスと言えば日本では「ああ、知ってる、省エネのことでしょ!!」と言う程度の認識ですが、欧米では「省エネ」に加えて家の内外からの「ホームコントロール」や「防火防犯」、「健康管理」、「教育」などのさまざまなサービスがテーマとして挙げられています。(娯楽と言う視点からはスマートテレビなども含まれます。)

筆者はスマートハウスを生活者クラウド(パーソナルクラウド)に対応するサービス支配論理で捉えていますが、国内でも様々なサービスが立ち上がっており、大手通信キャリアが動く2012年はスマートハウス元年となるでしょう。

ちなみに通信キャリアはスマートハウスをホームICTと呼んでいます。

 

★★NTT西日本やイオン、シャープのA touch Ru*Run」サービス

 

★★ イオンなど3社、専用タブレット端末を使った「暮らしサポートサービス」を展開

★★ セコムホーム・サービス

 

★★ Verizon Home Monitoring and Control

Ph2

(出所:日経BP) 

<2012年はスマートハウス元年>

 スマート先進国の米国では、既にベライゾンコミュニケーションやCATVのコムキャストなどがHome Monitoring and Controlのサービスを始めています。子供が鍵を忘れた時、外からスマートフォンで確認してドアの鍵を開けたり、独身者が自宅に帰る50メートル前から自宅の照明を付け、照明の色や温度を快適に設定したり、外出時に消し忘れた照明を外から消したり、旅行中に防犯の為に時々自宅の照明を付けたり消したり、外出先からテレビの録画予約をするなど様々です。無論、電気の消費量を適正に抑える仕組みもあります。

この手のホームコントロールを巡って国内でも様々な動きが表面化し始めています。セコムは昨年夏ごろから防犯に加えて共働き家族の為の清掃や料理の代行、庭の手入れや家事手伝いなどのサービスに加えて生活者クラウドによるパスポートや写真の預託サービスや家族間の伝言サービスを開始しています。NTT西日本は2012年2月、シャープやイオンと組んでインターネット上のクラウドサービスを活用した「暮らしのサポートサービス」を月額315円で提供し始めました。これはリビングルームにタブレットを置き、子供が帰宅しタブレットに触れると帰宅メッセージと写真がモバイルにより母親に届けられるサービスです。家族の伝言版やネットショッピングなどが楽しめます。

<これから洗練されるスマートハウス>

スマートハウスのサービスは、セコムなどの場合コスト削減の余地があり、またサービスも地域や地域のコミュニティに根差したものへと発展する余地もある為、これからサービスの値段も含めて急速に洗練されると考えられます。

 

<社会的課題に根差すニーズの存在>

我が国ではテレビの完全デジタル移行(地デジ)と東日本大震災を期に自律型社会への志向や絆、縁への志向が高まっています。(事情は欧米でも同じです。)

スマートハウスに対しては女性の社会進出から来るニーズがあります。

時間が無い働く女性が子供を抱えた時、スマートハウスとそれに支えられたサービス群が無いと男女共同参画社会は成り立ちません。

 

例えば幼い子供を抱えた働く母親はフジテレビの人気番組「ストロベリーナイト」を一体、何時見るのでしょうか。これは時差型の娯楽ニーズ=スマートテレビ二―ズです。また今後は食事の一週間分の作り置き(それも家庭の味や家族の好みを加味したサービス)や近所のスーパーからの野菜の宅配などが家族を支える必須のサービスとなるでしょう。それを一瞬にしてスマートフォンやスマートテレビなどから発注する訳ですね。

 

欧米では既にだいぶ前から定着している適正な値段のベイビーシッターやペットの世話係などのシェアーの経済も地域のコミュニティの中から生まれてくるでしょう。それをスマート機器と生活者クラウドサービスで支える仕組みが求められています。ペットの世話係が自宅に来たら外出先から相手を動画で確認して自宅の鍵を空けると言う仕組みです。

 

無論、高齢化社会を考えてもタブレットによる様々な仕組みが考えられます。

<通信キャリアの戦いの開始>

 サービスの開始ではセコムが先行していますが、これから通信キャリアが急速に追い上げると見られています。既にKDDIはアンドロイドOSによるセットトップボックスをCATV連合と組んで2012年夏からCATVを視聴している各家庭に配布します。この機器はスマートハウス実現の為のゲートウエーとなります。NTTグループもドコモを含めて大同団結しています。

更に住宅産業が参入したり、デジタルテレビ後を狙うメーカーや自動車企業、大手の電機量販店の参加が見込まれています。

面白くなってきました。わくわくしますね。

 

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