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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

アイデラCEO初来日で、エンバカデロの開発ツールビジネスの今後が見えた

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アイデラによるエンバカデロの買収発表があってから、同社のCEO ランディ・ジェイコプスが、開発ツール部門の総責任者となるジェネラルマネージャのアタナス・ポポフとともに初来日した。

今回、31回目となるデベロッパーキャンプに合わせたかたちだが、むしろ日本の方針や開発ツールの今後など、アイデラとしての考えを社内外で確認することが主な目的だ。

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限られたスケジュールの中、主要なパートナーとの打ち合わせや、お客様訪問などをさせていただいた。また、デベロッパーキャンプ当日に帰国してしまうという制約のあるスケジュールから、その前日夜に、開発者の皆さんに集まっていただいて、日本からの要望や意見などをインプットする機会も設けた。

アイデラとしては、開発ツールビジネスを成長路線に乗せていくという信念があり、今回の買収に至ったと思うが、彼らの方針にただ従うのではなく、日本のユーザーの皆さんに寄り添うかたちでそれが実現できればと、むしろ攻めに出た感じだ。

彼らアイデラ幹部の考えやメッセージは、こちらのビデオで確認できるが、今回の来日で具体的に決まったこと、明確になったことなどをまとめておこうと思う。

エンバカデロ・テクノロジーズは引き続き存続
エンバカデロは、開発者に特化したブランドとなります。開発者向けビジネスを展開しているわれわれは、引き続き「アイデラ傘下」の「エンバカデロ・テクノロジーズ」として活動します。「社名変更しますか?」と聞かれることがありますが、「行いません」というのが現在の回答です。

データベースツールはアイデラに統合
一方、エンバカデロのデータベースツールは、アイデラのデータベースツールとブランド的には統一され、「アイデラ」ツールとなります。ボーランドの開発ツール部門がエンバカデロと合併したときに、開発ツールは「CodeGear」、データベースツールは「DatabaseGear」というブランドを定義しましたが、これが「エンバカデロ」と「アイデラ」になるということです。

エンバカデロとしては現状ビジネスの改善と拡張にまず専念
アイデラ傘下で新しいアイデラ製品の取り扱いなどが気になるところですが、現状、開発ツール分野でいくつもの改善すべき課題があります。これらにまず専念することが重要というのが、CEO ランディの考えです。ということで、当面、エンバカデロ日本法人としては、現状の製品取り扱い範囲を広げることなく、既存ビジネスの改善と拡張に専念します。

製品のリリースや強化はどうなる?
アイデラの製品哲学として、よいソフトウェア製品は「品質」「使いやすさ」「拡張性」を備えているべきであるとしています。新機能の搭載はもちろん重要ですが、この製品哲学に合致するような品質基準をクリアしていくことに相当な注力をしていくとのことです。ただ、いくつかの注目すべき計画として、マルチデバイスプラットフォームのサポートをLinux Serverにも拡張することなどが語られています。詳細のロードマップは近日中に公開するとのことで、こうした方針の徹底によって、従来の計画を若干軌道修正してくるものと予想されます。

当初、データベースツールベンダーによる買収によって、開発ツールはどうなる?という不安が多く聞かれたが、実際に会って話をしてみると、むしろ開発ツールビジネスに対して相当のてこ入れをして、劇的な改善を行おうとしていることが強く感じられた。

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