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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

「せーの」ではなく「の」で合わせる機敏性

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さて、ほぼ1ヶ月のオフシーズンを経て、早くも夏の演奏会に向けて始動した。通常は、もう少しオフシーズンが長いのだが、今回は、マーラーの交響曲第9番という大曲を演奏するため、とりあえず2月の段階でショケタ(初見大会)を終わらせておいて、個人練習につなげようという目論見だ。

個人的には既に宣言しているとおり、前回の演奏会終了から1ヶ月以上、毎日欠かさず練習してきた。とりあえず、1時間半あまりの大曲のうち、弾いておかなかった音符はない、という状態ぐらいまでには持っていってショケタに挑んだつもりだ(実際には、うっかり一度も見ていなかった箇所が数十小節あったのだが)。

とはいえ、実際に合わせてみると、なかなか手ごわい。まず、マーラーというのは、猛烈にテンポが揺れるのだ。最初の合奏では、まあ、普通ちょっと加減して揺らしまくらないものだが、今回は、指揮者も気合が入っているのか、はじめから容赦なく揺らしてくる。

こちらも、どう揺れるのか、最初の体験なので予想できないため、ずれる、見失う、落ちる、という連鎖に至る。楽譜にかじりついていないで、指揮者を見ればよいのだが、まだそんな余裕はない。弾こうとするために落ちるとは、皮肉だ。

ところで、テンポの変化には大きく分けて2種類ある。ひとつは、徐々に速くなったり遅くなったり、クライマックスに向けて加速したり、ここぞ、というところで、ためを作ったりというあれだ。

もうひとつは、急なテンポ変更。ある小節を境に、急にテンポが3割増しになったり、突然急ブレーキがかかったり。マーラーの場合、この2種類が組み合わさっているからやっかいだ。特に後者の場合、直前のテンポから推測できない新しいテンポを瞬間で感じ取る必要がある。

こういうときに必要とされるのが、「せーの」で合わせるのではなく、「の」で合わせる機敏性である。「いち・に」と予備拍があれば、テンポを感じて合わせることができるが、それだと前の小節と間が空いてしまう。そこで、直前の「いち・に」の「に」だけ、あるいは「いち・とー、にー・と」の「と」だけで、瞬間テンポを作るのだ。

ベートーヴェンの「運命」の「じゃ・じゃ・じゃ・じゃーん」をやったあとのセカンドヴァイオリンもまさにこれ。合わせるのではない、感じるのだ。

ところで、接戦を繰り広げたオリンピック女子フィギュアスケート。自分はまったくのしろうとだけど、真央ちゃんは「せーの」とやって回転しているけど、キム・ヨナは「の」だけで回転しているように見えてしまった。「の」だけで合わせるなめらかさはやはり重要か。

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