生成AIの進化は、企業内での世代交代を加速するのかもしれない
諸事情あってしばらくブログを休んでおりましたが、その間もAIの進化は続き、いつの間にか生成AIからAIエージェントの時代になっています。改めて、この分野の変化の激しさには驚かされます。
それに合わせて企業での活用も進んでいる。。のかと思いましたが、いろいろな調査を見てみても、企業の60%が生成AIを導入済みという調査から、導入済みは20%まで、かなりバラつきがあります。調査時期や対象などによって差が出ているのでしょうが、「使っているところはどんどん使い倒し、そうでないところはまだまだこれから」ということなのかも知れません。
そのような中で、読売新聞が学生アンケートの結果を報じています。
これによると、全体の7割近くが利用経験あり、5割が継続的に利用中となっています。マイナビが昨年行った調査でも利用経験ありが60%以上となっていますから、概ね一致しています。感覚的にも納得できる数値のように思えます。
これはもちろん、デジタルネイティブな世代であること、まだ頭が柔軟であることなどが大きな要因と思えますが、もうひとつ大切なのは「業務経験が無い(少ない)こと」ではないでしょうか。以前、『「DX に関わりたくない」人が急増しているのは何故?』で書いたことですが、
この2つの調査から見えてくるのは、経営層と現場の乖離によって現場の理解が進んでいない、ということなのでしょうが、本当にそうでしょうか?実は、現場に「変わりたくない」という気持ちがあるのではないでしょうか?
現場は、過去の成功体験に縛られて変化することを好まないのではないか、ということです。心配なのは、同じ事がAIでも起きているのではないかということ、そして「AIを使いこなす学生が新人として入社してきた場合、AIを使わない先輩達はどうなるのか?」ということです。
ここで思い出されるのが、GPU最大手NvidiaのCEOであるジェンスンファン氏が2023年10月に語ったとされるこの言葉です。
このブログでも、2023年8月に『生成 AI は「AIを使える人」と「使えない人」の格差を拡大させるのかもしれない』という記事を書いていますが、言っていることは同じです。
この状況が、近い将来の企業内で起きるのではないでしょうか。企業において新人、先輩、ベテランの差は、現場での経験の長さや深さに由来することが多いはずです。そういった経験値や暗黙知が生成AIによって学習された先には、どのような状況が待っているのでしょう。生成AIの時代には、新人・ベテランを問わず、常に自己をアップデートし続けることが重要になってくるのではないでしょうか。
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