【GooglePlay攻略】 Androidで月商1億円を狙う為には? 2ヶ月目以降の施策について
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@metaps_satoです。 うちのコンサルタントの山田が面白い資料を公開していたので、ちょっとこのブログで共有したいと思います。アプリ市場ではここ数ヶ月で収益化に成功している企業が急激に増えてきていて、市場は次のステージに向かいつつあるなと感じています。その中で一番悩みとして多いのが「2ヶ月目以降の施策」です。アップされた資料はここらへんのヒントになりそうなので共有しておこうかなとおもいます。
●1年で全く別の市場になったGooglePlay
ちょうど去年の秋にセミナーを実施していた際の資料を振り返って見て色々と衝撃的な事実に気がつきました。2011年10月のタイミングでAndroidマーケットの売上ランキングを調べてキャプチャにしていたのですが、現在のGooglePlayの売上ランキングと比べるとまったく別物になっていることがわかります。ちなみに下記図で赤丸がついているのが「フリーミアムモデル」のアプリです。
2011年10月
2012年9月
毎月色々 なアプリが出ているので、顔ぶれが変わるのは当たり前ですが、驚いたのはアプリのビジネスモデルの主流が180度変わっていることです。昨年末の段階では、売上トップの8割近くが落としきりの有料アプリでした。そしてツール系などの実用的なアプリが上位にはいくつか並んでいます。現在の売上トップを見て いるとそのほとんどが「無料+アプリ内課金」のいわゆるフリーミアムモデルが主流になっているのがわかります。
さらにツール系アプリは売上上位から消えて、そのほとんどがゲームジャンルに偏っています。 昨年の秋以降はAndroidアプリも今後はフリーミアムモデルが市場の主流になると話をしていたのを思い出しましたが、1年立たないうちに市場が全く別ものになってしまうこのスピード感にはけっこう驚きました。ビジネスモデルの変化ともう1点注目したいのが、市場規模の拡大です。 GooglePlayの決済額もほぼ確実に数倍になっていることが予想できます。
ちなみに2011年10月時点での売上トップはツールの日本語入力ソフトの「ATOK」です。この手のツール系アプリは継続的なニーズが端末買い替え時に発生するので通期を通して月商はそこまで大きくぶれないと予想できます。むしろスマホへの移行 が社会現象と化している今は売上は着実に増えているかもしれません。
2012年9月19日現在「ATOK」は売上ランキングで43位です。私の認識では2011年末売上トップ20位以内のアプリは月商で数百万円程度でラ ンクインできましたが、現在は2000万円以上ないと売上15位以内にはランクインできません。もしツール系の売上が大きく変化がないとしたら昨年末の売上1位は月商500~1000万円の間ぐらいだったと思います。現在のGooglePlayの売上1位はもうすぐ1億円に迫るラインまできています。 アプリにお金を使う人が増えてきたのと、着実に収益化の方法が普及してきて、マネタイズに成功する開発者が増えて来ているのは間違いないです。
●Androidアプリは個人副業ビジネスから企業の「主事業」へ
2010年~2011年はまだまだAndroidアプリ=ビジネスとして認識はされていない場合が多く、個人開発者がバナーを貼って副収入を得る「副業」的な見方が多かったです。2012年からガラケービジネスの急速なシュリンクで、各社本腰を入れてアプリで収益を出そうと模索が始まりました。
ガラケー市場のシュリンクがモバイルコンテンツ市場に与えた打撃はこのブログの記事でわかりやすくまとめられていました。
メタップスでも市場拡大のために色々とオープンに情報を出してAndroidアプリの収益化の方法を資料にまとめてセミナーやブログでも積極的に公開してきました。マネタイズのためのビジネスモデルの設計からユーザの流入方法、GooglePlayのランキング攻略方法、実際にトライした際の流入数などのデータなど(前回のブログでも実際のデータを公開していました)、市場でいわゆる「勝ちパターン」のようなものが普及して2011年によりも確率の高い投資をすることができるようになりました。
それによって本格的に企業の「ビジネス」として認識されるようになり、売上ランキングも企業のアプリが大半を占めるようになってきました。今後大手が参入するとこの傾向はさらに顕著になるだろうなと予想されます。最近だと1ヶ月単位で市場の競争環境は大きく変化してきています。6月ぐらいまでは月商1000万円のラインが売上ランキングで15位前後でしたが、9月現在だと同じ数字を出しても売上30位前後です。 市場の拡大スピードは異常なほど速いと実感しています。
●月商数千万円から億単位へ押し上げる「次」の戦略が不在
アプリをリリースして初月で広告とGooglePlay上から自然流入を大量に確保して、フリーミアム型で収益をするパターンは既に業界にはノウハウ的なものが普及しているので、月商数千万円ラインで収益化できている企業様は急増しています。
ただ課題としてあるのは月商数千万円ラインから月商1億円を越えるための戦略がまだ市場に普及していないので、企業の本格的な収益の「柱」にするためには弱い点です。さらに具体的にいうと、ある程度の収益化に成功された開発企業の次の悩みとして出てくるのが、Androidアプリをリリースしてから「2ヶ月目以降にやることが無くなる点」です。
リリースから30日間は「人気の新着」の欄に掲載されるので、初月は取りきれるだけユーザの獲得に専念します。このタイミングでは広告投資も単体で見ると費用対効果を完全に合わせることはかなり難しいですが、ランキングへの寄与とそこからの自然流入を合わせると全体としてはペイさせることができます。しかし2ヶ月目「人気の新着」非掲載後は自然流入は半分以下になってしまいます。ここで投資を続けても自然流入量に限界があるので、なかなか費用対効果を合わせることができません。
例外としてはARPPUが2000円近くあるような高ARPPUなゲーム系は投資できる獲得コストが高いので、2ヶ月目以降に投資を続けてもARPPUと課金率さえ下げなければ費用対効果を合わせ続けることができます。とはいえほとんどの場合はCPCやCPI、レビューなどを試行錯誤しても「横ばい」が精一杯で、ここからさらにV字にユーザを伸ばしていくことができずに「現状維持」し、次の新しいタイトルの制作にリソースが割かれ始めます。
初月の人気の新着を使った自然流入戦略獲得戦略から戦略を変えて新しいアプローチする必要があります。このあたりの戦略がまだ体系化されていないので、私自身もこのステージでだいぶ足止めをくらってしまい、またあれこれ試行錯誤を繰り返すはめになりました。 AppStoreはここらへんのリリースからの「期間」の制約がないので、何度もプロモーションを実施してユーザを集め続けることができます。GooglePlayに関しては30日の制約があるためユーザ獲得機会に限界があり、これが月商数千万円どまりで月商1億円をなかなか越えるコンテンツが出ない理由ではないかと考えています。
●30日以降もユーザを伸ばし成長するアプリの戦略とは?
ほとんどのアプリが2ヶ月目以降は「人気の新着」の恩恵を受けれなくなり、ユーザの獲得にかげりが見え始めますが、逆に2ヶ月目以降も継続的にユーザを増やし続け「人気」などの難関カテゴリの上位に食い込むアプリも少ないながら存在しています。
それらのアプリでやっている施策は「ユーザの活性化」からうまく新規ユーザの獲得と既存ユーザのロイヤリティ向上を同時に実現する導線作りにあります。一般的には「リテンション」か、もっと強力に「エンゲージメント」と言われる言葉が当てはまるかと思います。
初月が「ランキング上昇による自然入力獲得戦略」と言えるならば、次月は「ユーザ活性化・ソーシャル活用による人が人を呼ぶ獲得戦略」と言えるかもしれません。この二つの戦略を30日を境に切り替えてスムーズに実行できるかに掛かっています。
●2ヶ月目以降の鍵はお金を使わない無料ユーザにこそある
フリーミアム系のコンテンツを運営していると9割以上は無料ユーザなので、お金を実際に払ってくれる1割の有料ユーザが大事だと考えてしまいますが、短期的ではなく長期的な視点で集客を考える上では、むしろ無料ユーザの動きのほうが重要だったりします。
無料ユーザはお金を払わないユーザではなく、お金を払わないけど集客や収益化を助けてくれる「マーケティング資産」として認識するとだいぶ運営の仕方も変わってきます。フリーミアムモデルのすごいことはこの無料ユーザがバイラルと引き起こして新しい人に広めてくれるため、最終的にはマーケティングコストがゼロに近づく効果にあります。アプリの場合は、フリーミアムモデルはアプリのダウンロードの敷居を下げるという点では役立っていますが、無料ユーザをマーケティング資産としてうまく活用できているところはほとんどありません。非常にもったいないことかなと思います。
まずは無料ユーザにマーケティング活動の一部を担ってもらうためにも、ユーザの活性化が必須になります。特に課金ユーザのみ優先のゲームだと途中で無課金のユーザは嫌気がさして離脱してしまいますので、無料ユーザにも継続的に使ってもらえるような工夫が必要です。「お金を払わなくてもコンテンツを利用できるけど、その代わりにちょっとマーケティング手伝ってね」というギブ&テイクの関係をユーザとアプリの間で作れるのがベストです。 具体的には仮想通過をログイン時に付与したりプッシュ通知、オファーウォールの導入などの施策があります。ゲーム系で使われることが多いですが、ゲーミフィケーション自体がマーケティングの一つなので、他のジャンルでも応用可能です。
●断絶されたアプリを外の世界と関わらせることができるか?
活性化したユーザにマーケティングを手伝ってもらうためには、やはり「ソーシャル」というキーワードは欠かせないです。誰かが「すべてのコンテンツはソーシャル化する」みたいなことを話していたような気がしますが、Androidアプリにおいてはこの力なしでは、継続的な集客サイクルは実現が難しいです。
アプリはローカル端末にダウンロードして使われるので、ウェブと違って気軽にアプリの中のことを共有しづらいため、口コミなどもおこりにくい非常にクローズドな世界です。アプリのユーザ満足してくれて、熱狂的なファンになってくれていても、その熱気を外の世界につなげる導線がなければいつかその熱もさめてしまいます。 Webよりも意識的に「ソーシャルメディア」へユーザの熱気や感情を共有してもらう導線を敷く必要があります。
注意点としてはソーシャルメディアを特定しすぎないほうが良いです。日本でも様々なソーシャルメディアがあり、そこに存在するユーザの質も用途はバラバラで、ソーシャルグラフ(この言い方は好きではないですが)は分散してしまっています。あえてソーシャルメディアを絞って共有してしまうと、それを利用していないユーザへのアプローチがしにくくなってしまい大きな機会損失が発生してしまいます。 アプリをハブとして各ソーシャルメディアがつながり、ユーザの感情や熱気が導線を伝って各メディアで広がっていくイメージが理想に近いです。
具体的にはスコアを共有したり人を招待したりといった施策とソーシャルメディアを絡めたものがありますが、コンテンツによって導線の作り方は大きくことなります。
●初月で獲得できるユーザ数で2ヶ月目のレバレッジは決まる
無料ユーザの活性化とそこからのソーシャルメディアからの口コミの拡大はダウンロード数の上昇につながり、最終的にはGooglePlayの「人気」などの難易度の高いカテゴリでのランキング上昇にもつながります。 ただ初月で獲得できるユーザの母数が少ないと、そこからおこる口コミの量も限定的で、レバレッジが聞きません。初月の獲得ユーザは、言い換えれば2ヶ月目以降のさらなる新規ユーザ獲得のためのエンジン&ドライバーみたいなもので、ここが弱すぎるとうまく流入サイクルが機能しません。
●企業によって分かれる「長期的」な戦略
アプリ単体で見れな「ランキング活用による自然流入」と「ユーザ活性化からのソーシャル活用で人が人を呼ぶ流入」の二つで継続的なマネタイズを続けていくことができると思います。さらに一歩進んで複数のアプリを出していく場合の「全体戦略」は企業によって大きく二つ(もしくは3つ)に分かれています。 ここでは最も収益化が進んでいるゲーム系をケースにあげていますが、今後は他ジャンルでも応用が進んでいくと思います。
①一つのアプリにユーザを集める「1点集中型」
収益化がしやすいアプリをひとつ用意して、収益化はしにくいけどユーザを集めやすいライトコンテンツから誘導をかけていく戦略です。この戦略が良いのは集客と収益化に分業ができる点です。出したアプリの数だけ30日間の「人気の新着」による自然流入の恩恵を受けることができ、そこから収益化がしやすいアプリへ誘導を集中することで、中心のアプリの利益を最大化します。 社内にエンジニアリソースがある程度余裕があり、スピーディーにアプリを作ってリリースができる技術力のある企業に向いています。
②1つのエンジンを横に展開してクロスプロモーション
③アプリで注目を集めてアプリ以外のところでビジネスをする
三つはアプリのマネタイズとは言わないかも知れませんが、アプリ自体でビジネスをするのではなく、アプリの知名度やブランドを活用してリアルな世界でマネタイズするモデルです。いわゆる版権ビジネスがこれに当たり、グッズなどにしてライセンス料で収入を得たりします。世界的な成功事例としてはRovioの「Angry Birds」がこのモデルです。
●「パズドラ」の登場で変わるGooglePlay
AppStoreで売上トップを連続で取っている国内では最もマネタイズに成功していると言える「パズドラ」のAndroid版が今日GooglePlayにも配信されました。 AppStoreでは月商2億(3億円?)以上の売上があると噂されているAndroid版の登場で、1億円を越えるコンテンツもまた半年後ぐらいには普通になっているかもしれません。 パズドラ登場によりコンテンツにお金を払うユーザが増えるとユーザのアプリに対する課金のハードルもさらに下がり、市場全体の取扱高をさらに押し上げることになりそうです。
●まとめ
ここから大手の全力タイトルも増えてくるので、中小・ベンチャー企業はいかにコストをかけずに集客と収益化を図るかが非常に重要なポイントになってきます。そこでユーザの活性化やソーシャル活用は生命線になり重要度を増してくると思います。
少し長くなりすぎたのでまたさらに具体的な施策に関しては来月にでもアップしていこうと思います。
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