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パネルディスカッションのウケるポイント

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最後のTechEdネタ。

昨日の最終セッションとして午後6時半から8時まで「アーキテクトへの道」と題するパネルディスカッションがありまして、モデレータには@IT Windows Server InsiderInsider.NETの編集を一手に手がけておられるデジタルアドバンテージ代表でオルタナティブブロガーでもある小川さん、パネラーにはサン・マイクロシステムズの伊藤敬さん、日本フィッツの荒井玲子さん、アマゾン・ジャパンの吉松史彰さん、マイクロソフトはマイケル・ダイクスさんというメンバーで議論が90分間進められました。

これが『ITアーキテクト』の理想的な姿とか、求められる資質とか、どういう努力すればなれるのかとか、パネラーの意見が見事にバラバラ...でもむしろ内容としては予定調和とかなく、自分はこういう風にやってきて今こういう仕事をしているけど、振り返ってみればよかったと思うみたいな感じで、「要は、自分が理想とするITアーキテクト像は自分で描いてみて、絶対にソレになりたいと思い込んで、そのために努力しなきゃ」ってことで90分があっという間でした。モデレータの小川さんとこのあと少し話し、進行がうまくいけたかを気にはしておられましたが、現場は途中で席を立つ人もいなくて聴衆は皆さん最後まで聞き入っていましたし、議論の中身も全部が合意されて収束されて話がまとまるよりはいろんな意見や考え方が出たので良かったと思いますね。

ただ、数百人のお客さんを前にすると『エンターテイメント魂を見せなければ』となってしまう私個人がでていたら、たぶんもう少し極端な物言いしてましたね。アーキテクトってITとかに限らずモノの始点と終点を最初から見極めていて、現場でおこるさまざまな事象をクリアしていろんな制約のなかできっちり終点に持っていけるかがわかる人ってことで、映画や芝居の演出家も、ミサイル防空システムというものの全体構想を描く人も、サッカーのプロチームのゼネラルマネジャーなんかもたぶんアーキテクトなんだろうと。じゃエンジニアはというと、大きな全体システムの中である役割を果たすことが求められるサブシステムを完璧に設計して作り上げる人---芝居で言うと舞台装置の作り手だったり、サッカーチームだと監督だったり、ミサイル防空システムだと地対空ミサイルの誘導装置を作る人だったりと......

で、ITに戻してITアーキテクトは?ってことになると「こういう話を元に自分で考えなさいよ。自分で考えた姿を他人から批判されてぐらついているようじゃ、自分で設計したアーキテクチャを批判されても押し通す自身もない人の設計を誰も信用しないよ」って言っちゃってますねきっと。

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