【5.7%】 自動車保険の複数年契約は、携帯電話と違って途中解除の違約金が発生しないって知ってました?
先日、自動車保険の更新でディーラーを訪れたときのこと。「もうすぐ保険料が上がっちゃいますから」と聞いて、ちょっとがっかりして帰ってきました。聞けば、昨年のガソリン急騰以来、若者のクルマ離れが顕著になったことに加え、昨今の不況でクルマが売れてないので、各社が一斉に値上げするんだそうですね。ガーン、知らなかったです。
- 国内の損害保険会社が来年度、そろって任意の自動車保険の保険料を大幅に引き上げる見通しになった。各社が加盟する「損害保険料率算出機構」は7月7日、保険料設定の目安となる「参考純率」を平均【5.7%】引き上げると発表。若者の「車離れ」などで収入が減っているためで、参考純率のアップは2000年以来9年ぶり。
※asahi.com2009年7月8日0時29分付
自動車保険の価格決定のメカニズムは相当に複雑ですが、単純にいえば、保険料収入が減少するか、事故や災害などによる支出増が著しいと、保険料は上がる仕組みになっています。どの保険も基本的な構造は一緒ですね。
今回の場合は単純、クルマを持つ人が減り、保険料収入が減少しているので値上げさせてください、というもの。売れないから値上げさせてくださいというのもどうかと、個人的には思うのですが、それはともかく。
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ここで登場するのが、いわゆる通販型の保険。同条件で比較すると、私が加入している東京海上火災保険の商品よりも2~3割は安いんです。乗り換える人が多いのも道理です。でも私の場合は、いつも世話になっているディーラーの営業Fくんを信頼して契約しているので、これを代えるつもりはありません。でもねぇ、なんだかねぇ。
実は私、毎年わりと時間をかけて保険契約をしています。保険内容が大きく変わることはないし、正直めんどうなんですが。同じような説明でもちゃんと聞いて、1年に1回くらいは、事故しちゃいかんなぁと自分に言い聞かせる機会としていたのです。それはF君もよく知っています。ところが今回、F君から意外な提案がありました。
「中村さん、今回から3年契約にしませんか?」
きっと私が浮かない顔をしていたんでしょうね。F君によれば、自動車保険においては、ユーザーにとって複数年契約のメリットが大きいらしい。保険会社にとって複数年契約は、他社に浮気されるリスクが少なくなるという大きなメリットがあります。でもF君が私にそんな理由で勧めるとは思えません。彼の話を整理すると、こんな感じです。
○ユーザーのメリット
- 仮に事故などで保険利用しても、契約期間中は等級ダウンしない
- 契約期間中、保険料が上がらない
(正確には、毎年等級が上がる分、保険料は下がる) - 毎年の契約の手間が要らない
- キャンセルしても違約金は発生しない
- 車両入れ替えなどももちろん可能
○ユーザーのデメリット
- 保険料が下がらない(料率が変わっても下がらない)
- 契約内容を変更できない
- 新商品が出ても乗り換えられない
- 通販型のものは複数年契約ができないものが多い(らしい)
「手続きはしなくても、ちゃんと毎年説明はさせてもらいますから」と、F君は最後に付け加えました(さすが!)。なるほど。これなら複数年にしない手はないですよね。来春保険料が上がっても、複数年契約期間中ですから影響を受けないというワケです。
仮に3年契約の期間中、年に1回ずつ事故しちゃって保険を使った場合でも、3年間は保険料が上がりません。もちろん、次回の契約更新時には、大きく等級ダウンするので、ショックは大きいですが(笑)。
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個人的に一番メリットを感じたのは、契約途中で契約解除しても、違約金などが発生しないという点です。ここ、携帯電話と大きく違いますよね。携帯電話の料金体系は、今や2年・3年の複数年契約が主力商品になっていますが、これは途中解約すると多額の違約金(docomo・au)や分割代金の支払い(Softbank)が発生します。だから「浮気しちゃダメよ」というわけですが、どうやら自動車保険における複数年契約は、
手切れ金なんかいらないわ、
浮気したけりゃどうぞ
という太っ腹らしい。浮気はともかくとして、仮に画期的な新商品が出たような場合に、大きなロスなく、それに乗り換えることができるわけです。これはオイシイですよね。
自動車保険という商品は大きな変更が少ないため、更新も「昨年と同じでやっといて」みたいな人が多いようです。だから複数年契約さえしておけば、契約手続き・保険代支払いという壁がなくなりますので、そのまま更新される可能性がかなり高いと踏んでいるのでしょう。
というわけで、今回は3年契約してきました。これから来春までに更新の予定がある方、今回は考え時かもしれませんよ~。。。