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【23.8%】 同窓会ブームに一役買う、ITのお手柄

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 GWに入る前に、机上に積み上げた本や冊子、DMなどの整理を始めたところ、同窓会の案内が届いていたのを見つけました。当然、締め切りを過ぎているのですが、どの道予定が合わず参加できませんでした。年末年始やお盆、それにGWは同窓会が多い時期。みなさんの中にも久しぶりの再会に出かけられた方も多いのではないでしょうか。聞けば、最近は同窓会がちょっとしたブームらしいですね。なぜ今、同窓会なんでしょうか。

 同窓会は、区切りの折に開催されることが多いですよね。卒業して○十年、学校の創立○周年とか。そして一番盛んなのが、実は定年を迎える頃だとか。なるほど。ここ数年、世の中では団塊の世代が一斉に定年を迎えています。どうやらそーゆーことらしいです。単純な話ですね。

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 でも卒業して何十年も経過してしまうと、消息をたどって連絡を取るのも楽じゃないでしょうね。言い出すのは簡単ですが、幹事さんが一番苦労するのは、名簿を作る作業。ここで挫折してしまうケースも少なからずあるらしいです。また忙しい仕事の合間をぬって会場の手配やら出席者のとりまとめなどを行うのも、なかなか大変な労力を要します。

 そこで最近では、同窓会の開催をサポートするビジネスやネット上の各種サービスが登場しています。

 たとえばホテルの同窓会プランや、旅行会社の同窓会ツアーなどでは、名簿さえ提出すれば、その開催案内通知や受付などをパックで引き受けてくれます。

 さらに幹事業務をまるごとサポートしてくれるサービスも登場しています。その典型が、同窓会ネット(大阪市)の「同窓会パック オールインワン」です。

…(前略)…「同窓会パック オールインワン」は幹事業務の一切を代行する。プランには名簿作り、同窓会ホームページ作成、会場手配、 同窓会運営、写真館サービスが付く。幹事がするのは、卒業名簿の手配、発起人選び、会費設定だけ。同窓会当日の飲食代金を含む料金は参加者1人当たり7000円からだ…(後略)…

    ※日経WagaMagaより一部引用

 またWeb上の支援サービスとして利用者が増えているのが、ゆびとま(長崎市)が運営する同窓会サイト「この指とまれ!」です。

 …(前略)…「この指とまれ!」は自分の出身校を選んで参加できる会員制コミュニティーサイト。学校ごとにページが用意されているので、同じ学校の卒業生を確認しやすい。全国6万校の同窓生が参加し、会員数は350万人に達するという。掲示板やメーリングリストの機能も用意されている。専用の共有フォルダーを作って画像やファイルを共有することもできる…(後略)…

    ※日経WagaMagaより一部引用

 こうした支援サービスの拡充も、同窓会を開催しやすくなっているひとつの要因かもしれません。でも考えてみれば、こうしたサービスに頼らずとも、メールやwebは同窓会などの連絡にかなり使えます。私がかつて在籍したリクルートには、OBOGの全国的な連絡ネットワークができていて、○年入社の■■さんが本を出したとか、★☆地区のOBOG会が開催されるとかいった情報が不定期で送られてきます。これらのITサービス活用は、これからどんどん活発になっていくでしょうね。

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 ところで、同窓会で久しぶりに同窓生と顔を合わせるのは、楽しみでもある一方で、照れ臭いといった感情もあるのではないでしょうか。また予定が合わないとか、家庭の都合で出かけにくいとか、事情はひとそれぞれでしょう。

 アイシェアが同窓会について調査を行っています。それによると、

…(前略)…同窓会に参加するのが「好き」なのは全体の10.0%。「どちらかというと好き(28.1%)」と合わせると38.1%が『好き』とした。『好き』の割合は男性(48.9%)が高く、女性(25.1%)を【23.8】ポイント上回った。女性は「どちらかというと嫌い(24.0%)」と「嫌い(7.7%)」を合わせた同窓会嫌いが31.7%と男性よりも多かったが、「参加したことがない(43.2%)」人も多かった。同窓会がこれまで1度も開催されなかったからという理由も含むだろうが、男性の「参加したことがない」が27.9%なことを考えると、行きたくないので行かない人も多いのではと予想できる…(後略)…

  ※アイシェア・同窓会調査より一部引用

 なるほど。いろんな事情や本音が入り交じっている様が感じ取れますね。

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 私が在籍する大学では、年に1度、大学祭の時期に「ホームカミングデー」を実施しています。これは同窓会が主催し、同窓生と教員が多数集まって旧交を温めるイベントで、年々参加者が増えており、会場のあちこちで談笑する風景や名刺を交換する様が見られます。こうしたサービスは今や私立大学だけでなく国公立大学でも増えているようです。また私の母校からは、大学同窓会が発行する大学名入りのクレジットカードの加入案内が送られてきました。

 同窓会というイベントは、旧交を温める機会というだけでなく、人脈を広げたりする場としても活用しているという声も聞こえます。人が集まる機会をビジネスチャンスとして捉え、サービスを提供する企業も今後は増加するでしょう。開催する人、参加する人、そして支援する人。思惑は人それぞれなのかもしれませんね。。。

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