オルタナティブ・ブログ > 中村昭典の気ままな数値解析 >

●人、●%、●億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

【1時35分】 客の立場に立てない担当者に、非を諭すのが大人の役目か、笑って流すのが大人の度量か

»

 先週の深夜、自宅前で交通事故がありました。我が家は信号交差点の角にあり、普段からクルマの往来が激しい場所で、これまでにも何度か事故を目の当たりにしているのですが、今回の事故は一方の信号無視が原因による車両同士の側面衝突事故。幸いドライバーさん1名が打撲程度ですんだようで、不幸中の幸いでした。

 ただ、我が家と道路の境界線に立っているブロック塀に車両が衝突し、壁が破損したため、私も現場検証に立ち会うこととなりました。事故が発生したのは深夜の【1時35分】ころ。現場には、警察車両、救急車、消防車、レッカー車などが押し寄せ、物々しい雰囲気。検証には1時間30くらいかかりました。やっと解放されて宅内に戻ったものの、外はまだ処理が続いており、結局朝方近くまで寝付くことができませんでした。事故は本当に大変です。

 ::: ::: :::

 後日、その事故処理の関係で損害保険会社から連絡が入りました。今回、あえて保険会社名は伏せますが、その対応は、呆れたというか、かなり不満が募るものでした。

▼不満その1
 事故係の担当者から最初の電話が入ったのは事故当日の午後。なかなか早い対応で、そこはよかったのですが、事故の概略を説明した後、壁の修繕工事の進め方で希望を聞いてきました。電話に出たかみさんが「主人がいないので、今晩にでも相談したい」と伝えたところ、
 
 「では次の電話番号に明日電話をもらえないでしょうか。9時から5時の間にお願いします」
 
と担当者。電話をくれって、しかも9時5時って、、、あなたねぇ・・・普通なら、
 
 「では明日にでもあらためて電話いたしますので、何時頃でしたらご在宅でしょうか」
 
じゃないかと思ったようですが、まぁ早いほうがいいかと思って、かみさんは引き受けました。

▼不満その2
 翌日の午後、あらためてかみさんから損保会社に電話を入れました。「中村ですが、事故係の△△さんをお願いします」。すると案内係の方が「いつどこで起こされた事故でしょうか?」と聞いてきます。おそらく事故データをPCから検索し、スムーズに対応するためでしょう。それは判りますよ。でもね。
 
 かみさんは「えっ? 私が起こした事故じゃないんだけど。我が家は被害者なんだけど・・・」と、一瞬カチンときたようですが、面倒なので「○日の深夜に××で起こった事故ですが」と応えると、やっと担当者に電話が回りました。

▼不満その3
 係の△△さんに電話がつながると、彼女は開口一番、
 「あっ、中村さんですよね、はいはい、わかります」
わかりますーって、あのね、友だちじゃないんだから。そこは違うでしょ、
 「中村さまですね、わざわざお電話いただきすみません」
でしょうが。ウチのかみさんは私よりも随分と寛容な性格なんですが、さすがに怒れたみたい。事務的に用件をすませると、私に電話をし、いきさつを説明してきました。彼女がプリプリしているのが私にはよーく判りました。

 その後、今度は私の携帯に係の△△さんから電話が入りました。修繕の進め方について詰めるためですが、その会話の中で、こんなやりとりがありました。

▼不満その4
 修繕の日程を調整する際に、彼女はこう言いました。
 「奥様は普段、家にいらっしゃいますよね」
いきなり決めつけてくるので、少しひるみましたが、驚いてる場合じゃありません。私は「いえ、仕事をしておりますので、普段はおりません」と応えました。誰かがいないと困る、というのは理解できますが。昨日の午後、電話が入った時にたまたま家にいたから、そう思ったのかもしれません。でもここは
 「奥様は普段、ご在宅でしょうか」
でしょ、普通ならね。

▼不満その5
 壁の修繕方法について私から「壊れた部分だけを塗装すると、他の部分と色が異なって汚くなる場合があるので、業者の方にそうならないよう指示をお願いしたいのですが」と要望を出しました。すると担当者はこう言いました。
 「判りました、伝えます。ただ、中村さんからもそのように現場で業者に指示してくださいね」
「私が立ち会えればそうお願いもしますが、仕事の関係で立ち会えないかもしれません。そこは保険会社さんの責任でお願いしますよ」
と私が申し上げると、今度は
「伝えますが、私が現場に行くわけではありません。ですから、中村さんからもお願いしたいのですが」
と繰り返してきます。私は伝えるのが嫌だと思ってはいません。しかし、私には△△さんの言い方が、損保会社の責任回避にしか聞こえませんでした。なぜ一言、責任をもって修繕させます、と言えないのでしょうか。現場に行かないならなおさら、きちんと要望に応えるよう指示を出すというのが担当者の責務です。
 
 もっと言えば、担当者の役目は事故処理の指示を出すことであって、彼女が現場に行かないことくらい百も承知ですよ。でもね、その役割分担は損保会社の内輪の話。お客にとって担当者は損保会社の窓口であり、責任者なんです。彼女が責任と誠意ある対応をしないと、お客は気持ちよく納得しないと思うんです。
 
 たとえば、納入した商品に不良があって、お客さんからクレームがついたとき、営業担当者はまず謝罪しますよね。それがたとえ製造部門の責任であって営業担当者に責任はまったくなかったとしても、です。これと同じことだと思います。

 ::: ::: :::

 今回の事故において、我が家が受けた損害はたいして大きなものではないと思っています。壁の構造には(おそらく)ダメージはなく、シロウト判断ですが、表面の塗装をすれば修復可能な、いわゆる軽度の事故処理と思っています。かばうつもりはありませんが、損保会社の担当者に悪意は感じられません。ただ、だからこそ余計に、自己の都合を押しつけてくるような言い方や対応に、どんどん不満が募っています。幸い大きな事故処理に至らず良かった、、、はずなんですが、何だか気分悪いです。このままだと、ちゃんと修繕がスムーズに進むのかと、不安が過ぎります。深夜【1時35分】に眠りの中から起こされ、その事故処理に付き合わされ、その上なぜ嫌な思いをしなければならないのか。さすがに怒れちゃうなぁ。

 今回の対応のどこがヨロシクないのか。たしかに僅かな、些細なことばかりです。でも、相手の立場になって考える配慮に欠けているのは、客対応の業務において致命的なこと。こうならないようにするには、現場で教育を徹底するのが早道でしょう。担当者に悪意がないってところが、かえってタチが悪い気がします。誰も何も言わなければ、彼女はこれからも同じ対応を続けるのでしょう。

 さて。対応の非を諭してあげたほうがいいものか。それが良識ある大人の責務というものか。はたまた、笑って流してあげるのが大人の度量ってものなのか。正直、気が重くなってます。トホホ。。。

Comment(5)