オルタナティブ・ブログ > 中村昭典の気ままな数値解析 >

●人、●%、●億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

【30億円】 楽天が1日当たりの売上高最高額を記録〜巣ごもり現象が加速する2008年末

»

 今年の冬はまさに暖冬。気温も例年より高い日が続いており、幾分過ごしやすい感じがします。しかしながら、景気の急速な悪化で、経済はまさに“厳冬下”。年末商戦も各方面で厳しい報告が相次いでいるようですね。消費者も、増えないボーナス、さらには雇用悪化への先行き不安などから財布のひもは固く、高級ブランドなどの高額消費は凍りつき、年末年始の海外旅行の予約も低調です。

 その反動か、外出を控え自宅で過ごす人が増え、デパ地下の食品売上は好調。クリスマスケーキの予約も前年比増に。また日本ケンタッキー・フライド・チキンでは、チキンやサラダなどを詰め合わせたクリスマス向けの「パーティバーレル」(約4,000〜5,000円)の予約件数が、前年比2ケタ増。一方、家電品では、デジカメなどの外モノは売れず、逆にミニノートPCやブルーレイレコーダーなど、こたつ周り製品や、省エネ家電が順調に売れているそうです。12月19日付けの日経新聞朝刊では、今年末の消費動向を“強まる巣ごもり志向”と評し、不況下の年末商戦を総括しています。

 ::: ::: :::

 こうした傾向が顕著に見られるのが、ネット通販です。日本のネット通販各社は、12月に入って連日売上を伸ばし、大手の楽天・ヤフーは、14日の日曜日、1日当たりの売上高で過去最高額を記録。中でも楽天市場では売上が【30億円】を突破したと報道されています(日経新聞)。お金がかかる旅行はやめて、地方の名産品や生鮮品をお取り寄せグルメ、というのが典型的な例だとか。

 でも、百貨店やショッピングセンターはどこも12月に入って大混雑しています。私の近所にもイオンやAPITAなどの郊外型大規模ショッピングセンターが点在していますが、どこも大盛況。しかしながら、客足は増えても売上が伸びたとはいえないようで、ブランド品や家電品、衣料品などの商品は、一部をのぞき不振を極めており、消費者の倹約志向が高まっている様子を裏付けています。

 ::: ::: :::
 
 つまり、消費者の動向はこうなります。

  1.外に出かけて華やかなクリスマスムードを楽しみつつ、欲しいものを手にとって品定め
  2.
家に帰って価格比較サイトで安く買える店をきっちりチェック
  3.
楽天・ヤフー・アマゾンなど通販サイトを賢く使って購入

 ネット通販各社は、週末に外で商品チェックを済ませた消費者が、日曜日夜にネットを利用して比較検討して注文するという最近の傾向に合わせ、いろんなキャンペーンを日曜に展開しています。特にボーナスが出た12月の日曜は、特に売上が集中。今年最強のサイバーサンデーと目された12月14日は、冒頭に紹介したように史上最高の売上を記録したということのようです。

 ::: ::: :::

 我が家の年末年始は毎年どこに出かけるわけでもなく、自宅近辺でのんびり過ごすのが定番なんですが、今年は全国的にそんな光景となるのでしょうかね。このままいくと、今年の紅白歌合戦は史上最高の視聴率を記録するかもしれませんね。。。

 

  参考:日本経済新聞12月19日付け朝刊
  参考:産経ニュース2008.12.16 21:48

Comment(0)