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緊急地震速報が Twitter 経由で流れる日

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Twitter のリアルタイム性に注目して、災害情報を流そうという試みは以前から行われてきました。有名なところでは米赤十字(@RedCross)がありますし、また四川大地震の際にいち早く Twitter 上で情報が伝わったのは記憶に新しいところです。そこで米国では、公的機関に近い組織から「Twitter を災害時のコミュニケーション手段に位置づけよう」という動きが出ているようです:

In Case of Emergency, Please Use Twitter (ReadWriteWeb)

The Safe America Foundation, a national safety group working with the U.S. government, announced yesterday that text messaging, social networking sites, and Twitter could help families stay in touch in the wake of a disaster. Although Twitter hasn't always been known for its stability, in emergency situations when phone lines and other traditional communication avenues are down, social networking sites like it and others could turn into reliable backup methods for reaching loved ones.

米国政府に協力している Safe America Foundation は昨日、災害時にはテキストメッセージ、SNS、そして Twitter が家族の間で連絡を取る助けになるという内容の声明を発表した。Twitter は安定性の高いサービスとは言えないが、電話など従来のコミュニケーション手段がダウンした状況下では、Twitter 等のSNSが家族に連絡を取るための信頼性の高い代替策となり得る。

とのこと。Safe America というのはアトランタに拠点のある非営利団体で、FEMA(米連邦緊急事態管理局)と共同で"Drill Down for Safety"(安全について深く考えよう)というキャンペーンを展開したりしているようです。で、緊急時には電話だけでなく、Twitter を始めとしたソーシャルメディアをコミュニケーション手段として使うことを考えておきましょうよという提言なわけですね。

しかし Twitter は(全てが彼らの責任ではないとはいえ)お世辞にも信頼性の高いサービスとは言えませんし、緊急時にメッセージが殺到すれば、それこそ遅延やダウンが発生しかねないでしょう。さらに友人達は Twitter に書き込んだメッセージを読んでくれると思いますが、自分の親の頭に「Twitter に何か書き込んでるんじゃ?」という発想が浮かぶとはとても思えません。従ってまだ「緊急時のコミュニケーション手段」に公的に位置づけるのは早いと思うのですが、一方でこのような使い方ができるようになるように、必要な環境整備を進めていくというのは価値があると思います。

ReadWriteWeb の記事もこう指摘しています:

For many technology early adopters, turning to a communication platform like Twitter or SMS when the landlines go down would probably be second nature, but if your friends and family don't know how to access Twitter's website, how to find and follow your account, or how to reply to your posts, then tweeting "Help!" or "I'm safe" isn't going to be all that useful. That's why it's encouraging to see a national safety group like this focusing on training large groups on how modern social networking sites and Twitter can be used to share emergency information even when you can't make a phone call. The only problem with this plan is the fact that when disaster strikes, cellular networks often go down too. That makes wireless communication - whether a phone call, a text, or something requiring data traffic - impossible.

多くのアーリーアダプターにとって、固定電話がダウンしたときに Twitter や SMS のようなコミュニケーションプラットフォームを活用するのは自然な発想かもしれないが、友人や家族が Twitter へのアクセス方法を知らなかったり、知っていてもあなたのアカウントがどれか知らなかったり、あるいはあなたのアカウントにリプライする方法を知らなかったら、「助けて!」や「無事です」といったメッセージを書き込んでも役に立たないだろう。従って、Safe America のような団体が「最近のSNSや Twitter によって、電話が使えない場合にも緊急情報を伝えられる」ということを多くの人々に伝えようとしているのは喜ばしいことだ。唯一の問題は、災害時には携帯電話ネットワークも同時にダウンしてしまう場合が多いという点だ。そうなれば電話だけでなく、テキストメッセージなどデータ転送を行うサービスまで全て使えないということになる。

ということで、やはり「いま使える」ではなく「こういう使い方ができる」はずだから環境整備を進てはどうか、今回の Safe America の発表や行動はそれに役立つのではないかという立場のようですね。まぁ、通信インフラがダメになった場合にはどうしようも無いのですが……。

日本でも緊急地震速報がいよいよ実用化されましたが、例えばその情報を Twitter に流してみても面白いかもしれません。地震発生「後」の情報提供には、(個人が作成したbotですが)@earthquake_jp というアカウントが存在していますし、災害関連情報の提供に Twitter を活用するというアイデアは今後も進んでいくのではないかと思います。それが公的なレベルまで達する、というのは日本の場合にはちょっと考えづらいですが(ちなみに米国ではサンフランシスコ市など公的機関でも Twitter 活用が進んでいます)、少なくとも民間企業や個人によるサービスとして発展していくかもしれません。普段は Twitter 見てるのに、災害時だけは自治体が用意したケータイサイトを見なければならない、なんてのは不便ですからね。

< 追記 >

ググってみたら、やはりありました。こちらも非公式ながら、震度3以上の緊急地震速報を転送してくれるアカウントのようです:

緊急地震速報 (eew_jp) on Twitter

【○年前の今日の記事】

ノキアが目指すガラパゴス (2008年9月4日)
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