「おばあちゃんがパソコンをするわけがない」
この『シロクマ日報』の最初のエントリは、ブログをされる高齢者の方々についてでした。「お年寄りでもブログしている!」という内容でしたが、そもそも「~だから~するのは珍しい/おかしい」と考えること自体、おかしいのかもしれません:
■ ネットにハマるハイテクおばあちゃん増加中 (AFPBB News)
PCやネットを使う高齢者の方々のサークル「コンピューターおばあちゃんの会」について。実は1997年に設立された会で、既に様々な活動をされているのですね。ちなみにITmediaでも、こんな記事やこんな記事で紹介されていたりします。いや、高齢者ならではの使い方もされていたりして、なかなか楽しそうです。
しかし今でこそインテルが協力したイベントなどが行われているものの、会の設立当時はその意義が認められていなかったとのこと:
人であふれかえったカフェを見て、おばあちゃんの会の設立者、大川加世子さんは、この10年の大きな変化を実感した。会を設立しようとしたときの周囲の反応は、「おばあちゃんがパソコンをするわけがない」というものだった。「コンピューターを貸してくれる会社は1つもなかった」と大川さんは振り返る。
「おばあちゃんがパソコンをするわけがない」 -- 結果論だと言われてしまうかもしれませんが、この考えは誤りでした。
総務省の統計によると、高齢者のインターネット利用は急増しており、60代後半の半分近くがネットを利用している。70-79歳の利用者は、2006年末までの2年間で15.4%から32.3%へと急増。80歳以上も6.9%から16%へと増えた。
のですから、「高齢者のPC&ネット」は成長市場なわけですね。仮に「おばあちゃんが……」なんて発想をせず、真面目に高齢者向けの機器もしくはサービスに取り組んでいる企業があったら、多くのユーザーを獲得していたことでしょう。
日本女性の平均年齢は世界最長の85.81歳。そのため夫に先立たれる確率も高い。大川さんは「会員の多くは1人暮らしです。そうした会員が増えるほど、生命線としてのコンピューターの役割は大きくなっていきます」と指摘する。
そう、「年寄りは機械なんて扱えない」という偏見(というより企業が使いやすいハード/ソフトを開発できない言い訳、かもしれません)を取り払って考えてみれば、高齢者にこそPC&ネットが必需品なのだと分かるはずです。「~だから~するのは珍しい/おかしい」と思い込んでいることがあったら、ちょっとその考えを脇に置いてみることが必要かもしれませんね。