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人物検索エンジン"Spock"を試してみた

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 特化型の検索エンジンにも様々なものが登場してきましたが、最近立ち上がった"Spock"は「人間」に特化したエンジン。ベータ版のアカウントをもらったので、ログインしてちょっと遊んでみました。ちなみに ITmedia での紹介記事はこちら:

「人」専用の検索エンジン「Spock.com」、β公開 (ITmedia News)

使い方は普通の検索エンジンと同様。キーワードを入れて走らせると、それに合致した「人」が表示されるというもの。例えば"fashion model"で検索すると、こんな結果が出てきます:


シンディ・クロフォードにパリス・ヒルトンなどなど……。通常の検索エンジンでは、キーワードにヒットするページがバラバラに表示されるわけですが、Spock では「顔写真」「WEBサイト」「特性(タグ)」「関係する人々(!)」などがまとめて表示されます。これらの情報は、Spock が独自にネット(Wikipedia など特定のWEBサイト)をクローリングして集めてくる以外に、Spock のユーザーが独自にデータを追加できるようになっています。言うなれば、「クラウドソーシング版 Who's Who」といったところ。

「誰もが勝手にデータを追加できたら、間違った情報も加えられてしまうのでは?」というのは当然出てくる疑問ですが、これは典型的なWEB2.0的解決法 -- すなわち「投票」によって対応されています。例えば以下は某"Bill Gates"さんに付けられたタグなのですが、個々のタグに対して「このタグは真実か否か」が投票できるようになっています。で、「真実ではない」と判断されたタグは下の方に赤字で表示される(隠してしまうことも可能)という仕組み。ちなみにビル・ゲイツさんは「オープンソースソフトウェア」とは無関係と判断されてますね:


こうしてクローリング+クラウドソーシングで情報を集め、「人」に関する独自のデータベースを築いているわけです。また「コンタクト先」として誕生日やメールアドレス、電話番号などを登録できるようになっているのですが、こうしたデータはプライベート情報として、他人には(対象者本人でさえも!)非公開。これは"Spock"をプライベートアドレス帳として使えるようにすることで、有名人以外のデータも登録してもらうよう促す意図があるのかもしれません。

ITmedia の記事では、「SPOCKによれば、インターネット検索の30%が、人に関する情報の検索だという」とのコメントが紹介されています。確かに人名で検索することは多いですが、前述の通り、通常の検索エンジンであれば出てくる情報はバラバラ。今までその代替とされていたのは大手SNSサービスでしたが、今後はこうした検索エンジンが「人間」に関する擬似セマンティックWEBとして活用されるようになるのかもしれませんね。

1つ残念なのは、現時点では日本語に対応していないこと(日本語を入れると無条件でエラーに)。日本なら Mixi や GREE と提携して、基礎データを収集してしまうという戦略が考えられるかもしれません。いまなら早い者勝ち、どこかの企業で日本語版開発に着手してくれると面白いのですが。

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