シニア活用の見えざる壁
ここ数年、人材不足が顕在化しています。
打開策として、"シニアの戦力化""ダイバーシティ""中高年の活用"などが、他のコラムなどでも取り上げられているのをよく目にするようになりました。
少子高齢化の日本において今後さらに人材不足が予想される中、人事にとってシニアの活用は重要課題の一つではないでしょうか。
--
シニアの活用の中でも「社員の定年延長、定年後の再雇用」と「シニアの中途採用」とでは、その課題と対策が異なります。
ただ、どちらにも共通しているのが、受け入れ企業とシニア双方の意識改革で、企業側は受け入れ体制の整備の必要があります。
意識改革に関しては、シニアの方が進んでいて、企業側はいまだできているところは少ない印象を受けます。
企業側のシニアに対する認識が一律に、「年上に指示しづらい」「新しいことを覚えてもらうのが心配」「スピードが遅い」と、日本人独特の年齢や性別、国籍、血液型などでまとめたがる傾向を強く感じます。
--
冷静に考え、周りのシニアの方をみると、個人差が大きくあるのは当然です。
個人個人違うのです。
確かに若いころよりはスピードや記憶力が低下していることは事実です。ただし、もともと優秀な方は多少低下したところで高レベルを維持していますし、加えて豊富な経験という武器を身に付けています。
--
「指示しづらい」「気を遣う」「・・・」これも個人差があります。また、企業側が過剰に意識していることも原因です。シニアはそのあたりは心得て入社してきます。
但し、受け入れ体制として業務範囲と権限を明確にすることと、個人ごとに異なるモチベーションの種類を理解したうえでのマネジメントの必要性があります。
--
人事のミッションとして、経営課題に対していかにマッチした人材を採用するかが本質ですので、年齢や性別でひとくくりにして判断するのではなく、その方の経験や能力、希望条件がマッチすれば、まずは面接してみることをお勧めします。
ヒューマンリソース事業部
小池 英夫
AACメンバー