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組織を活性化させていく上で外せないポイントを、企業や組織が抱える問題や課題と照らし合わせて分かりやすく解説します。日々現場でコンサルティングワークに奔走するコンサルタントが、それぞれの得意領域に沿って交代でご紹介します。

人事にこそ、「働き方改革」を!

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「働き方改革」という言葉を毎日のように新聞、TV、インターネットで目にしますが、その意味・とらえ方は様々です。簡単にイメージしやすいのは、残業削減や時短勤務、在宅勤務、長期休暇制度など、今こういうのがあったらいいなぁ、会社に取り入れてほしいなぁ、といった現状の課題克服的なニュアンスです。

他には、そもそもの働き方(同じ場所で働く意味があるのか?仕事を時間で区切って働く概念がなくなるのではないか?など)の概念を大きく変えようとする表現まで様々あるように思います。

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私は仕事柄、人事部門の採用担当者と話す機会が多くあります。
重要な責務を担っていらっしゃる方が多く、兼任で部署を掛け持ちで担当されていたり、プロジェクトが複数走り多忙を極めていたり、「働き方改革」を進めていくと人事部門の方が今より忙しくなってしまうような現象が起こらないとも限りません。

人事部門の仕事について、私は大きく2つに分けて考えています。
『プランニングの仕事』と『オペレーションの仕事』です。

『プランニングの仕事』とは、採用であり、人事企画であり、人材開発(育成)です。
最近はこの採用・企画・育成の各ポジションの若手リーダー~ミドルマネジメント~部門長クラスまで幅広い経験層の、募集(求人依頼)が数多くあり、世の中の企業がまさに欲しい人材群なのです。戦略的な人事・経営のために極めて重要なポジションとなります。

決して『オペレーションの仕事』を軽視しているわけではありません。給与計算、社会保険、勤怠管理、労務管理、福利厚生など、なくてはならないものが毎月の締め切りで必ずやってくる仕事ですので、必要不可欠な重要なポジションと言えます。

『プランニングの仕事』は一見それぞれが独立した組織で別々で動いているように見えますが、実はものすごく密接に絡み合っており、採用だけが強く、企画や育成は全然ダメということはなく、うまくいっている組織はすべてがうまく連動していて、うまくいっていない組織はパワーバランスが偏ったりしているケースが多いです。

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会社の業績向上により増員、または退職者・異動による欠員補充など、人事採用の動きはスピード感があり、まさに目の前に期限が迫るなかで、良い人材の採用を進めなければならず、採用スケジュールのスピードアップに拍車がかかります。また、採用が決定すると、入社を迎え、当然に入社手続き、給与・社会保険、法的対応など必ずしなければならないことが発生していきます。
もしも、会社の人事が採用や給与労務などの仕事に日々追われ、本来取り組みたい企画や育成といったものを、部門長やマネジャー職が兼任で行っているがゆえに後回しになっていたり手を付けられずにいたりすると、組織が活性化しづらいでしょう。

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中長期的な視点で考えると、人事にもそれぞれの分野で責任を完遂できる人員の配置、すなわち組織を作ることが必要だと考えます。
良い人事制度がある会社には、良い教育・育成のプログラムがあり、そんな会社はきっと採用もうまくいっていて、従業員が生き生きと活躍できるステージが用意されているはずです。「働き方改革」を進めるには、それぞれの役割から好循環が生まれる強い組織作りが必要で、その土台がしっかりしている会社は改革を進めやすいと日々感じております。 そして、「働き方改革」を進めるには、まずは人事が活性化した組織である必要があり、活性化した組織を作るには、適材適所に人材が配置される必要があると言えます。

ヒューマンリソース事業部
東海 次郎

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