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組織を活性化させていく上で外せないポイントを、企業や組織が抱える問題や課題と照らし合わせて分かりやすく解説します。日々現場でコンサルティングワークに奔走するコンサルタントが、それぞれの得意領域に沿って交代でご紹介します。

決断

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『決断』とは、その名が示す通り「決めて」、「断つ」、ことに他なりません。なぜ、このような事を今あらためて書かせていただくか?この4月から新しくスタートを切った方、これから別の道に進もうと考えている方、様々だと思いますが、この時期、新たな決意を持って新生活を過ごされている方が沢山いらっしゃると思います。

『23.5歳』

突然ですが、この数字が何かお分かりでしょうか?これはある国の平均寿命です。どの国か?
実は、『日本』なのです。そんなバカな!と思われるかもしれませんが、昭和20年戦争が終わった年、72年前の日本人男性の平均寿命は23.5歳だったそうです。
もし自分の寿命が23歳だったとしたら?日々をどう生きるか?どう過ごすか?

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改めて、『決断』とは?「決めて」、「断つ」事に他なりません。意外と「決める」事は簡単に出来てしまうものです。例えば、小さいことであれば「ダイエットしよう」とか日常だと「この仕事を頑張ろう」「このような生き方をしよう」とか。しかし、もう一方の「断つ」という事は、なかなか出来ていないものです。

例えば、目の前にAという道とBという道があるとします。ひとまずAの道に行くことを決めたとしましょう。ただ、大事なのはAの道に進んだという事実よりも、実はBの道に行くことを確実に断ち切るという点です。

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仮に、Bの道を断ち切らないままAの道を進んだとしても、いつかその道に壁が立ちはだかった時、必ずその人はBの道へ方向転換するでしょう。しかし、Bの道に行ったところで当然その道にもいつかは壁が立ちはだかります。他の道を断ち切れていないばかりに、結局また他の道を探そうとします。(それが、Cの道なのか、Dの道なのか、次の道を探そうとします。)

ここで理解をしておかなければいけないことは、Aの道も、Bの道も、Cであれ、Dであれ、それらは全て一つの円="壁"の中に存在するという事です。その"壁"は非常に大きく高いのですが、近くまで行かなければ存在を確認する事は出来ません。みんな歩き始めたときは、その壁の存在すら知りません。しかし、どの道を進もうが、必ずその大きな"壁"が立ちはだかるという事です。

その時、他の道に進むという選択肢を最初から「断ち」切れていれば、なんとかその壁を乗り越えようと努力をするでしょう。なぜなら、他に行く道が無いからです。『決断』とは、「決めて」、「断つ」事です。大切なことは、別の道に行くことではなく、壁をどう乗り越えるか?ということだと思います。そして、その壁を乗り越えた時、再び壁は目の前に立ちはだかります。但し、乗り越え続けることでその壁の円周は大きくなります。それが人の器だと思います。

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目の前の困難から目を背けることなく何とかしようと進んでいけば、その人に乗り越えられない壁は決してありません。様々な工夫(タイミングをずらしたり、誰かの協力を得たり等)を考え実行することで、必ず乗り越えられます。この話は、色々な場所で多くの方に話してきたのですが、先日、偶然、前職の部下だったAさんと会う機会があり、「今でも支えになっている。」と言われ、とても嬉しく感じたと同時に、私自身も改めて考えさせられました。

是非、今の環境に悩みを持っている方、上手くいっていない方、新たなスタートを切った方に読んでいただき、少しでもこれからの自分、これからの人生を新たな気持ちで歩んで行っていただきたいと考えます。

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4月という時期は、新しいスタートを切る方が非常に多いシーズンです。 新たな道を"決め"、そして他の進路を"断ち"、茨の道をどうぞ乗り越えていき、自己の成長へと結びつけて下さい。

人材開発コンサルティング事業部
山田敏博

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