ロイヤルティとエンゲージメント
組織活性化に資するコンサルティングを行う中で、ロイヤルティやエンゲージメントに関する問題や課題に取り組むことがある。このロイヤルティやエンゲージメントという言葉を混同して用いている人も少なくない。
しかし、このロイヤルティとエンゲージメントには明確な違いがある。
ロイヤルティとは従業員の会社に対する忠誠心を指し、従業員から会社に対する一方向なものを指す。一方エンゲージメントとは約束や契約を指し、相互の関係性の上で成り立ち、従業員と会社の双方向なものを指す。
これまで人材は経営資源のひとつとされ、会社が保有するビジネスモデルを回すための資源として捉えられる場合が多かった。その前提になっていたのが従業員と会社の間の強い主従関係である。
しかし現在では、ITやテクノロジーの発達・発展、雇用の流動化などの市場環境の変化に伴って、人材個々の発言力や発信力が高まっている。その結果、これまでのような従業員と会社の強い主従関係が崩れ、人材は資源ではなく資産であるという考え方が生まれ、このエンゲージメントという言葉が生まれた。つまり昨今の市場環境においては、強い主従関係を前提にした一方的な人材マネジメント施策では十分な効果を発揮することが出来ない場合が増えている。
ロイヤルティとエンゲージメントに関する問題や課題に取り組む際には、これらの違いを理解した上で、ビジネスモデル、主従関係の強度などを加味した上で取り組む必要があると言えるであろう。この理解と把握を前提にした取り組みが、ムリやムダ、また漏れのない取り組みに繋がる。
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ちなみに組織・人事領域において用いられる言葉のほとんどはロイヤ"ル"ティ。ロイヤ"リ"ティは特許料や使用料などを指す言葉。
代表取締役社長 兼 CEO 大野順也
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