2015年大混戦セリーグをヤクルトが優勝できた理由とは?(2016年最速予想編)
前々回(得失点分析編)、前回(二項分布編)の分析でいろんな傾向が見えてきました。
最後に各チームは何回に勝負を決めたか(何回に勝ち越してそのまま勝利に繋がったか)を明らかにしたいと思います。
勝利・敗戦決定回から決定づける各チームの勝ち方・負け方
まず、勝利を決めた回の折れ線グラフを見てみましょう。
前述したように、ヤクルトはやはり序盤に得点してそのまま逃げ切る型が多かったようです。一方で、巨人は序盤型と終盤型の2パターンに分かれるようです。終盤まで競れる投手力があってこその結果です。
広島はヤクルトと同じような型で勝った試合が多いですが、終盤での勝利が非常に少なく、このあたりが4位で終わった理由でしょう。
次に、何回に負け越してそのまま敗戦に繋がったかを表す、敗戦を決めた回の折れ線グラフを見てみましょう。
ヤクルトは序盤で負け越すとそのまま敗れるケースが一番多いことがわかりました。一方で、7回以降に負け越してそのまま敗戦につながる試合は非常に少なく、鉄板の中継ぎ投手陣・ROBの威力を感じさせます。
また、この表からも広島が終盤で競り負けていることが読み取れます。
この表から、各球団の勝ちスタイルが見えてきますね。ヤクルト・広島は先行型、巨人は先行・終盤競り勝ち型並行、阪神は終盤競り勝ち型とでもいいましょうか。
言い換えると、各球団のスタイルに持って行かせないような勝負を各球団はしなくてはなりません。
各チームの2016年取るべき対策
今回の分析で分かった各球団の弱点を表に色塗ると、以下のような結果になりました。
ヤクルト:先発投手陣の層の薄さ。あと2枚は欲しいところ。
巨人:"打線"の再構築。1〜3番で得点を稼げる打者を並べる必要がある。やはり坂本は一番では?
阪神:中継ぎ投手陣の層の薄さ。いずれも2枚は必要。
広島:後半に打ち勝てる打力、強いて言えば精神力の強さ。
2016年1月現在、各球団の補強状況を見ると、しっかりとウィークポイントを埋めるように進めています。
中でも藤川球児の復帰、高橋聡文のFA補強に動いた阪神や、ルナの獲得に動いた広島は「解って」いますね。
一方でROBの一角であるバーネットが抜けたヤクルトは、その補強を国内選手ではなく国外選手に求めました。吉と出るか、凶と出るか...。
また高橋由伸、井端弘和の抜けた巨人も、大型の補強なく2016年を迎えようとしています。こちらも吉と出るか、凶と出るか...。
2016年、今のところは実力の解らない新戦力を除けば、ウィークポイントの補強に成功した阪神が一歩リードといったところでしょうか。
まとめ
これまで様々な観点で分析をしてきましたが、全ては「ヤクルトの優勝」という結果があってこそ、それにこじつけている部分があることは否めません。
もし巨人が優勝していれば、「後半に競り勝てる鉄壁の投手陣を率いる巨人と、勝利状態でなければ登場しないROBのヤクルト、投手層の差が原因」「ヤクルト打線は強力だったが、先発投手陣がカバーしきれなかった」という見方もできる"数字"でした。
だからこそ2016年は、はっきりと優勝の特徴とも言えるような傾向が表れる、ソフトバンクのような圧倒的勝利を残して欲しいと思います。