「走れ！プロジェクトマネージャー！」

　僕が良く知っている上海は、1985年頃です。特に85年は、1年の中で297日間中国にいましたので、夢も中国語だったくらいです。
　当時、上海は中国の中でファッションの最先端と言われながらも、日本と比べると全然違う。女性もスカート姿が増えていましたが、ちょっと暑いとスカートをまくり上げてしまう状態。（実は、スカートをまくり上げる行動は、広東人は「チョーイコネイ」と言って、縁起が悪いと言うのですが。）
　さて2007年に戻って、現在の上海の女性、男性は洗練された方が多いです。特に男性の若いビジネスマンは、日本の同年代の方たちよりも「ビシッ！」と決めた感じ。
　女性も、思わず振り返ってしまうような方が多いです。元々蘇州は美人が多いと言い、蘇州から1時間程度の上海は、同じくキレイな女性が多いのですが。
　車に乗ると、ありとあらゆる車が（バスも）クラクションを鳴らしまくり、とてもうるさいです。青信号の横断歩道を渡っていても、右折車が突っ込んできます。
　地下鉄に乗ると、降りる人よりも乗るほうが早い。降りる人が、必死で人をかき分けて降りていきます。そんな地下鉄内では、お年寄りが乗ってくると、若者がすっと席を譲ります。今までのマナーの悪さが、ウソのようです。
　上海という街。僕がシンガポールに住んでいた頃に、ある一面は似ています。また、80年代後半の香港に似ている気もします。地下鉄で並んでいても割り込んでくるところは、僕が高校生の頃の大阪に似ています。座席を譲る点は、上海のほうが多いですが。
　何をもって品格と呼ぶのか。その定義づけもせずに品格、品格と騒ぐのはいかがなものかと思いますが、上海人は上海人なりの品格があり、個々の考えもしっかりしている気がします。
　もちろん格差はあります。ピシッと決めたビジネスマンが歩いている歩道に、お椀にコインを入れて座っている老人がいます。上海駅に行くと、どこから来たのか、農作物を大きな袋に詰めて歩いている男性がいます。
　ファーストフードのカウンターでは、文句をいう客に言い返す店員がいます。（かなり普通の光景・・・）それでも上海人は元気です。
　多くの日系企業が、上海を拠点にする理由が、少しだけ分かった気がします。