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2006/01/03

ITエンジニアのゆくえ

ビジネス
 

 日本人として、年の初めはどうしても何か豊富を言いたくなってしまいます。w
 ということで、オルタナティブ・ブロガーとしては、あまり世論に迎合せず(そもそも性に合いませんので)、自分なりの尖った視点を無くさず、自分ペースでやっていこうと考えています。

 2006年もITは面白いと思います。そう思うと共に、取り残されるITエンジニアが続々と出てくるのではないか、と危惧しています。ITエンジニア、と一括りにしてしまうのはとても危険で、いくつかの得意技にカテゴライズされます。その中でも、(恐らく)一番多いのがアプリケーションエンジニアと呼ばれる人たちです。汎用機の時代からコンピュータに携わっており、今ではオープン系でバリバリやっている方はある意味で強いのですが、そうではなく、最近ツールありきで始めたエンジニアは、応用編に弱い。その上、システム全体を知らない方も少なくありません。

 どういうことかというと、アプリケーションというものは、コンピュータシステムの一部でしかありません。コンピュータは、ハードウェア、ソフトウェアから成り立ち、アプリケーションエンジニアは、そのソフトウェアの中でも、一部にしか携わっていないことが多いのです。いえ、携わっていないことがいけないわけではなく、知ろうとしないことが問題なのです。だから、簡単な話、LANさえ分からない。小さなオフィスでさえ、自分で開発環境を立ち上げることが出来ない方もいるのです。もちろん、そういう方が悪い、と言っているのではありません。そういう生き方もありますから。気になるのは、そういう方が、アーキテクトレベルの人と一緒に仕事をしている。自分も当然アーキテクトレベルの人と同じ収入を得ることが出来るように、勘違いしてしまう。その結果、アーキテクトと呼ばれる人たちに、意味不明な不満を感じ始めてしまうことなのです。
 森永卓郎さんの本ではありませんが、今後IT業界も、収入面で二極化していくと思います。300万、多くても400万以下の人たちと、700万以上の人たち。そうなった時に、自分はどっちにいるつもりなのか。
 業界によっては、かなり以前からそれがはっきりしている業界もあります。そういう業界は、各自が自分の位置をはっきり認識しています。だから問題ない。しかしIT業界は、そういう認識が不明確なまま来ていると思います。だから、各自が「自分はどっちにいるのか」、を認識していない。認識していないが故、努力や勉強するといった裏付けのない夢、いいぇ勘違いをしてしまうのです。
 IT業界は、もはやラッキーだけで成り立つ業界ではありません。これは、通信などのインフラであろうと、その上で発信・配信されるコンテンツであろうと、日々努力して、勉強している人に勝てる時代ではない、と認識しています。努力しないならしないで良いのです。ただ、将来的に自分はどこにいたいのか、いるべきか、を認識出来ていればOK、出来ていないなら今一度考えてみるべきです。
 HTMLが分かりやすい例ですが、ホームページが流行り始めた頃は、HTMLを書ける人が必要でした。ホームページ(静的コンテンツ)を作るだけで、会社を立ち上げることも出来ました。しかしその後、ホームページ作成ツールが次々と出てきました。マイクロソフトのフロントページ、IBMのホームページビルダーなど、素人が扱いやすいものも沢山出てきました。過去にうちの仕事を手伝っていただいたエンジニアの方で、HTMLを書けない人もいらっしゃいました。でもそれで、何も困らないのです。彼はそれで立派に仕事をしているのです。
 今やJavaもStrutsやEclipseといった、便利なフレームが出てきました。.NETしかりです。車で言うと、どんどんオートマティック車が登場しているわけです。オートマティック車が普通になってきたら、わざわざミッション車を運転できなくても良いのです。そうなったら、車を運転できることが重要なのではなく、もっとハイレベルなこと、または違うことを必要としてくるのです。
 あなたはどっちへ行きますか?F1レーサー?それも良いでしょう。しかし、F1に出場できるドライバーは、世界で20名だけです。あなたは、その20名の一人になれる努力をしていますか?
 ドライバーではなく、道路を整備する仕事もあります。あるいは、新しい高速道路を考え出したり、その考えに基づいて設計する仕事もあります。また、車をメンテナンスするメカニックという仕事もあります。もちろん、メカニックにも、F1のメカニックもあれば、他のレースのメカニックもあり、また町工場という仕事もある。色々あるのです。でももしあなたが、運転しか出来ない人だとしたら。。。
 自分の道は、自分でしか造れない。夢は自分でしか実現できない。そして自分がどこへ行くべきか、を考えるのも自分しかいないのです。2006年は、そんな判断をすべき年なのではないか、と考えています。

kumaboo

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