「走れ！プロジェクトマネージャー！」

　オフィス移転というのは、一般的に総務に任せたりすることが多いのですが、実はプロジェクトマネージャーの手腕が問われる、大きなプロジェクトだと思います。
　僕らは過去に、コールセンター移転とか、オフィス移転といった、かなり規模の大きいプロジェクトに携わる機会がありました。コールセンターは、三夜かけて650席があちこちに分散しているコールセンターを、一カ所に統合する、というものでした。
　これは業務改善を伴う作業であったため、準備期間から2ヶ月半かかりました。各センターの実体を調べ、移転先のインフラ構築、マシンルームを設置し、休憩室、事務所スペース、コールセンタースペースそれぞれ要件を洗い出し、自分たちで考えていきました。

　僕たちはコールセンターのプロフェッショナルではありません。しかし、理解しないことには要件を考え出すことは出来ません。各センターの業務を確認すると同時に、あるべき姿を考え出し、効率の良いシステム利用を考えていきます。
　また移転当日は、旧センターを23時に終了させ、翌日8時半にはセンターを使える状態にしておかなくてはなりません。三夜かかりましたが、毎夜200席以上の機材、PCが運ばれてきます。電話機も席数分の設定を行わなくてはなりません。内線設定といった一般的なことから、どの座席が、どの順番で電話が鳴り出すか、といった設計も伴います。そして、その設計通りに設定されているか、といった確認も必要です。650席もあれば、設定間違いも出てきますが、オープン当日にそのままであるわけにはいきません。夜中の間に設定し直します。工事業者(工事と言っても、床下の業者、屋根裏の業者、エアコン増設のための設置業者、配線関連業者などなどです）、ビル管理、機器搬入業者、総勢50名程度の進捗会議を毎週行います。心配な点があれば、その業者さんのオフィスに行って、詳細に詰めます。こういう細かい作業を伴って、実現するのが企業の移転です。家の引っ越しとは、リスクレベルが全然違います。かなり神経を使うプロジェクトの一つです。

　今日も小さい移転があったので、思い出したことを書いてみました。