「走れ！プロジェクトマネージャー！」

顧客第一主義とか、顧客満足度などという言葉を聞いて久しい。さて、本日品川で行われた、日経ソリューションビジネスDAYに参加してきました。基調講演は、大成建設の木内さん（社長室情報企画部部長）です。
テーマは「ITサービス業界とシステムインテグレーターへの直言」という厳しいものです。お話しの内容も、すごく丁寧に語っていただいた「お前らの業界、おかしいぞ」というものでした。
ＩＴ業界の一員として、耳が痛いお話しが沢山あり、またそのことによって勉強にもなりました。ちょっとご紹介したいと思います。
大成建設は、2000年に「システム運用コストを30％ダウンしろ」というトップダウンが下りてきました。それからのプロジェクトになったわけですが、まず業務改革からスタートすることを請け負ってくれるシステムインテグレーターは一社もなかったそうです。結局、社内でプロジェクト体制を構築し、自分たちで行うことになったそうです。（結果的に良かった、とおっしゃられていました）
その中で様々なソフトウェアベンダーとお付き合いになられたようですが、システムインテグレーターへの直言は以下の通りです。

１．業務設計出来ないユーザ企業を、本当に支援できますか？
２．ソフトウェアは無形だから管理しにくい、と言うが、それは本当に見える形で管理しようと努力
　　しましたか？
３．契約時に「合意形成」の重要性を認識していますか？可視化したり、仕様の明示をしていま
　　すか？そういうルールになっていますか？
といったところが頭に残りました。
労働集約型のビジネスであることは、建設業界と極似しているように見えるが、管理レベルが違う。また、下請けを使うといった多階層型労務形態であるのも似ているが、建設業界でいうところの、施工体制台帳に準ずるものが存在しない。
要は、ヒューマンリソースの管理が甘い、というわけです。これは反論の余地なし。（少なくとも、僕が知る限りですが）
また、プロジェクトマネージャーは存在していても、納期遵守の精神がかなり違う、とも言われていました。（こちらについては、若干異論がありますが）
ただ、ＰＭのスキル、レベルに関してのご意見は、十分に改善の余地があるのだと思います。品質、コスト、工程に関しての管理レベルが甘い、システム開発プロジェクトは、山のようにあります。ＰＭの仕事は、進捗管理だけ、と勘違いしているＰＭも大勢います。
実効あるプロジェクトマネジメントを行い、出来高、出来たものの可視化を行う。これが、プロフェッショナルの仕事なのだと、つくづく思います。それと同時に、原価構造を明確にしていくことで、ＳＩの収益性も改善されるのだと思います。
僕自身、出来ていないことがまだまだ沢山あります。精進します、などといった形ばかりのことを言うつもりはありません。実行あるのみ、だと思います。