「走れ！プロジェクトマネージャー！」

ここ数年、米国PMI認定のPMP人気により、PMBOKを勉強する人も増えIT業界にも、ずいぶんプロジェクトマネジメントが普及してきました。
個人的にはPMPそのもの、というより、プロジェクトマネジメントをきちんと勉強する人が増えたことは、素晴らしいと感じています。
ただ、残念ながら顧客満足度はまだまだ低い、という声を聞きます。何故なんでしょうか。
プロジェクトマネージャーは、確かにPMBOKを勉強し、その手順に従ってマネジメントを行います。しかし、PMBOKに書かれている「プロジェクトマネジメントの90％は、コミュニケーションマネジメントである」というところは、具体的には書かれていません。どのようにコミュニケーションマネジメントするのか、といったことは記述されていないわけです。
しかし、90％とあるように、コミュニケーションマネジメントを怠ると、プロジェクトの成功に大きな影響を与えます。
この記事にあるように、PM技術教育だけでは、何かが足りない、ということなのです。
優秀なプロジェクトマネージャーは、確かに存在します。しかし、その優秀なノウハウが後継者に移植されることは稀です。真似しても出来ないのです。

この記事にも書かれているように、場合によってはファシリテーションであったり、場面によっはコーチングといった、コミュニケーション手法を用いる必要があります。
特にファシリテーションは、会議など複数のメンバーが集まる場面で有効です。しかし、こういった手法を完璧と思いこんでしまうと、手法ありきになってしまいます。
しつこいですが、手法はあくまで手法です。
ファシリテーターは中立である、と言われますが、プロジェクトマネージャーがファシリテーターをする際に、中立であることはかなり難しいです。
プロジェクトマネージャーがPresence（存在意義）がないファシリテーションを行っても、プロジェクトの目的を達成することは難しいわけです。
何のためにプロジェクトマネージャーが存在するのか、自分の存在意義は「プロジェクト目的の達成」です。そして、目的を達成するためのコミュニケーションであり、ファシリテーションなのです。
多くのファシリテーターの反論を承知で書きます。ファシリテーションはプロジェクトを達成する上で非常に有効な手法であり、僕たちは場面によってファシリテーションを利用します。
ファシリテーションは難しいことではありませんが、「勘違い」したファシリテーションはアウトプットを出すことが出来ません。
当事者意識を持って臨み、ブレないファシリテーションを行う必要があるのです。
ファシリテーションそのものについては、またの機会に書きたいと思います。
少し古い本ですが、僕が一番納得しているプロジェクトマネジメントの本をご紹介します。