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IT技術者教育に携わって25年が経ちました。その間、変わったことも、変わらなかったこともあります。ここでは、IT業界の現状や昔話やこれから起きそうなこと、エンジニアの仕事や生活について、なるべく「私」の視点で紹介していきます。

有名になりたい~「DECの方から来ました」って、もう言いたくない~

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1990年代、当時私が勤務していた会社は、経営不振から希望退職や部門売却が始まり、我々の部署(教育部)は投資家に売却され、新会社となった。これが「グローバルナレッジネットワーク」で、もうすぐ20周年を迎える。よく続けられたものだ。

元の会社はDEC(デジタルイクイップメント)といい、一時はIBMに次ぐ業界2位のコンピュータベンダーだった。経営不振とは言え「腐っても鯛(腐った鯛?)」である、我々の新会社がDECブランドを使えないことに危機感はあった。1日あたり数万円の研修である。聞いたこともない会社に支払うのは顧客も不安だろう。

しかし、DECは我々に対してそれほど優しくはなかった。売却時の契約により、DECが顧客に教育サービスを提供する場合は、グローバルナレッジを優先的に紹介する必要があった。しかし、DECのWebサイトには「グローバルナレッジネットワーク」の名前もリンクもなく「世界最大の独立系IT教育ベンダーに委託します」のような表現になっていた。「(当時)独立系で世界最大」というのは本当で、当時は我々も好んで使っていたが、社名くらいは出して欲しかった。

また、DEC経由で受注した案件では「グローバルナレッジの名前は出さず、顧客にはDEC社員として接するように」という注文をつけるDECの担当者は多かった。よほど嫌だったらしい。同僚とは「DECの方から来ました」って言えばいいのかな、と冗談を言っていた。当時、DECは教育ビジネスは禁止されていたので、DECの名前で教育サービスを提供するのは契約違反だったと思うのだが、そこは良かったのだろうか。

せめて会社名くらいは広めたい。知名度を上げるために私がしたことは、当時盛んだったパソコン通信の利用だ。ビジネスユーザーが多いNiftyServeの掲示板では、以下の原則で毎日コメントをした。

  • 知ってることは全て書く
  • 知らないことも調べて書く
  • 分からなかった質問は無視する(名指しで質問されても見なかったことにする)

もちろん社名を掲げての実名投稿だ。そのうちに「あの人は何でも知ってる」という評判がたった。ついでに会社の名前も少しは知られるようになった。

 

キャンディーズとピンクレディ、毛利元就と伊達政宗、まなみのりさとDorothy Little Happy

実力と知名度は別である。

1970年代を代表するアイドルユニットと言えばキャンディーズ(1972-1978年)とピンクレディー(1976-1981年)だが、ミリオンセラーを連発したピンクレディーに対して、キャンディーズは実質的な最終シングル「微笑みがえし」が80万枚程度で、ほとんどが30万枚にも満たない。大ヒットした「春一番」ですら50万枚である(資料によって数字に大きな違いがあるが、傾向は変わらない)。

似たような話は別の分野にもある。戦国時代の名将として毛利元就伊達政宗が同列に語られるが、武将としての力量は圧倒的に違ったという話である。しかし、現在のマニアの間ではどちらも同じように人気がある。

そういえば、広島出身アイドル「まなみのりさ」と、仙台在住アイドル「Dorothy Little Happy(ドロシーリトルハッピー)」のジョイントライブのプロモーション動画は、毛利元就と伊達政宗がモチーフになっていて、なかなか面白かった。

 

知名度が重要なわけ

「DECはIBMに次ぐ2位」と書いたが、実は企業規模では同列に並ぶ企業ではない。最盛期のDECの売り上げは、同時期のIBMの5分の1程度でしかなかった。それでも、DECの存在感は高く、誤解も含めて業界では高く評価されている。私がDEC出身と知ると、一種の憧れをもって語り出す人もいるくらいだ。もっとも、どんな企業もつぶれてしまったらおしまいである。大事なのは知名度よりも現金だ。

実は、DECにまつわるエピソードは勘違いも多い。たとえば「UNIXとインターネットができたのはDECのおかげである」という神話がある。UNIX開発やインターネット研究にDECのマシンが多く使われたのは事実だが、DEC社内ではUNIXビジネスは決して主流ではなかった。インターネット標準のTCP/IPもDEC社内では一般的ではなく、主流はDECnetプロトコルだった。

誤解も含めて、知名度が高いことで得することは多い。まず、話を聞いてもらえるし、覚えてもらえる確率も高い。IT業界には「元DEC」というブランド信仰を持つ人が、年輩の人には結構多い。結局、DECの経営は回復せずCompaqに買収され、そのCompaqはHPに買収されたのだから、会社経営はほめられたものではないのだが、良い話だけが記憶に残るのだろうか。

「DEC出身」と言うだけで一目置かれるのは、ビジネスをする上で悪い話ではない。自分の力でもないし、誤解もあるが、使えるものは何でも使えばいい。

創業から20年経って、グローバルナレッジの知名度も少しは上がった。しかし、それはIT教育に関わる人たちの間での話であって、一般的にはまだまだ無名である。だから、これからも社名を背負って露出を上げていきたい。

掲示板の書き込みは、昔に比べたらずいぶん減ったし、ブログの更新頻度も高くないが、自分が調べて分かったことは書くようにしている。勉強会にも、請われれば講師として参加している。よほど難しいテーマでない限り、先約がなければ無報酬で引き受ける(ただし講演や講習の場合はグローバルナレッジ規定の講師派遣料が必要である)。

グローバルナレッジネットワークでは、創業20周年を記念して、以下のようなキャンペーンも開催している。特に「with Cool Gadget」は、話題のドローンなどがプレゼントされるなど、今までにない企画だと自負している。ぜひ読んでみて欲しい。


【告知】猫写真展

本文とは何の関係もありませんが、縁あってグループ写真展に参加します。

横浜赤レンガ倉庫 ねこ写真展  ~今を生きる猫たちのキロク・キオク~

横浜にある赤レンガ倉庫を借りての猫写真展で、私は「猫のチカラ」というグループのメンバーとして5点出展する予定です。入場料が必要ですが、プロの写真家の出展も多いので、猫写真に興味のある方はぜひお越しください。

  • 会場: 横浜赤レンガ倉庫 1号館2階
  • 会期: 2015年11月17日~23日
  • 時間: 10:00~20:00 (最終日23日は~18:00迄) ※入場受付は終了の30分前迄※
  • 入場料: 500円(小学生以下無料、当日に限り再入場可能)

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