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違法コピーが悪い理由、コンプライアンスが大切な理由

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違法コピーが悪い理由として、生産者が食えなくなるからということが言われます。

もちろんこれはまったくそのとおりです。しかし異なる理由も考えられます。それはルールを守らない方法でお金を稼ぐと、ルールを守っている企業の運営を圧迫するということです。

特に株式会社は財務諸表を公開し、その能力を開示することで市場から資金を調達します。同じような活動をしている2社があり、1社では隠れた違法コピーにより費用を少なく見せ、1社では正規の費用を負担していた場合、パッと見では違法コピーをしている会社のほうがIT投資が上手なように見えてしまうかもしれません。

これは違法コピーの問題だけでなく、サービス残業や職場衛生基準不備などの労働基準法の違反にも言えることですし、その他の様々な法令違反にも該当することです。世の中では「産地偽装」などは非常に大きなインパクトをもって受け止められますが、それに比べると「サービス残業」や「申告漏れ」などは不買につながりにくいように思います。

しかしながらまじめにやっている企業が駆逐されてしまうという意味では、直接的には我々の害にならないように見えるコンプライアンス違反も「産地偽装」や「検査漏れ」と同様に重く受け止められるべきと思います。ズルをしている会社がまともにやっている会社の業績よりも良く見えてしまうと、ズルをしている会社に資金が集まってしまうことになりかねません。まじめにやっている会社が生き残れず、ふまじめな会社が生き残るようでは社会が成り立ちません。(もちろんサービス残業が過剰勤務に繋がれば居眠り運転や品質低下などで直接的な悪影響が出るかもしれません。)

もっとも肝心の株式市場ではコンプライアンス違反となるような不祥事は嫌われることが多いですし、経営者がコンプライアンス違反を知っていて放置し株価下落を招いたような場面では株主からの厳しい追求が待っていることと思います。ですので資金調達面では「ふまじめな会社に資金が集まる」ということは起きにくい状況です。それと同じように、商品を買う場面でもどのような会社かということを気にしていきたいものです。

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