子ども撮影用にデジカメ「DMC-GF1」を買った
先日ブログで「小さな子どもを撮るならこんなカメラ」ということを書いてみたところ、すっかり欲しくなって買ってしまいました。
池袋のヤマダ電機日本総本店でパンケーキレンズつき(型番でDMC-GF1C)にHAKUBAのレンズガードと本革ボディケースがついて実質55850円でした。カメラが67800円の25%ポイント(16950ポイント)で実質50850円、レンズガードとケースが合計5000円。45mm-200mmのレンズの在庫が復活したらポイントを充当しようと思案中です。
使ってみた感触は非常にいいです。最近はデジカメの性能も行くところまで行き、条件が良好なときの画質はもはや1万円台の薄型でレンズの飛び出ないタイプのコンパクトデジカメでも不満に思うことはほとんどありません。しかし子どもの写真を撮る上では不満に思うところがありました。
- 室内で暗くて撮れない(ブレたり、感度が上がって荒れる)
- 子どもの動きが早すぎて撮れない(ピントが合わない、ブレる)
- 起動や連写が遅くてシャッターチャンスを逃す
こういったポイントを吸収してくれるデジカメを探していたところ、マイクロフォーサーズ機のDMC-GF1に行きつきました。このデジカメは有効画素数が1210万画素と目立って多いわけではありません。コンパクトデジカメですら1400万画素の製品も増えてきています。しかしデジカメの画素数は多いから良いというわけではありません。マーケティングについて書かれた永井さんのエントリを引用します。
T.レビットは、「顧客は1/4インチのドリルが欲しいわけではない。1/4インチの穴が欲しいのだ」と言いましたが、ソリューション・マーケティングの発想の根幹はまさにここにあります。
しかしながら、「1/4インチの穴が欲しい」というお客様の課題を理解せずに、自社のドリルの性能を一方的に語るマーケティングが非常に多いのも、残念ながら現実です。
『1/4インチ・ドリルとソリューション・マーケティング:永井孝尚のMM21:ITmedia オルタナティブ・ブログ』
http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2006/05/14_5fe4.html#comment
デジカメという製品のもっとも基本的な役割は「どのような写真が撮れるか」に尽きます。最近までデジカメでは画素数の競争が激しく繰り広げられてきました。一眼レフのほうではまだ終わらないかもしれませんが、コンパクトデジカメでは「夜景が撮れる」など画素数以外の面での競争が本格化し始めたように思います。下のコラムにあるとおり、キヤノンのラインナップの中でも高性能機に位置づけられる「PowerShot G11」が、シリーズ全機種で有効1470万画素だったのが有効1100万画素へと改められたことなどが紹介されています。
『コラム:デジカメの“非”高画素化は定着するのか - ITmedia +D LifeStyle』 http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0908/28/news062.html
私も画素数についてはほとんど問題にしませんでした。ヤマダ電機やビックカメラの店頭というのはあまり良い条件ではありませんでしたが、スペックの数字にこだわらず「どのような写真が撮れるか」を試写を通じて調べました。実際に家で使ってみるとマーケティングで重要視される数字に踊らず、「気軽にコンパクトデジカメ以上の写真を撮りたい」というニーズに応える製品づくりがされていることを実感できるカメラです。ネット上のクチコミなどを見ると使ってみて良いほうに期待を裏切られたユーザがとても多いように感じました。私自身もそう思います。
買う前に気にしていたことに、パナソニックがニコンやキヤノンといった老舗のカメラメーカーではないという点がありました。しかしテレビでバンクーバーオリンピックを見ていたときにパナソニックのCMが流れました。確かにパナソニックはカメラメーカーではないものの、自分の記憶を辿れば長野オリンピックの時には既にスポンサーだったように思います。調べたわけではありませんがオリンピックでは毎回パナソニックのCMを見てきたような気がします。「そうか、レンズと素子に関してはすごいことをやってきたメーカーなんだよな」という思いが甦り、むしろ背中を押されるようにパナソニックのデジカメを買ってしまいました。
『オリンピックプロジェクト|採用情報|パナソニック企業情報|Panasonic』 http://panasonic.co.jp/jobs/strategy/olympics_project.html
我が家の発酵食品を題材に何枚か撮ってみました。
平成21年2月に仕込んだ味噌。
露出1/100s,f/1.7,ISO100
平成22年1月初旬に仕込んだ豆腐よう。
露出1/500s,f/1.7,ISO100
平成21年12月に仕込んだカリン酒。
露出1/160s,f/1.7,ISO100
上と同じカリン酒。上は日なたでレースのカーテンごしに、こちらは直射日光で。
露出1/3200s,f/1.8,ISO100
ちなみに、「顧客は1/4インチのドリルが欲しいわけではない。1/4インチの穴が欲しいのだ」をカメラに例えると「顧客はf値が小さいレンズが欲しいわけではない。そのレンズでしか撮れない写真が欲しいのだ」というような形になるかと思います。そう考えるとレンズを買う動機はボケた写真とか、暗い場所の写真など、「撮りたいものが決まっている」ことになるかと思います。オルタナブロガーには色々なサイズのドリルをお持ちの方もおられます。ドリルの文を紹介したご本人ですので、どのようなサイズの穴を開けたいか先に決まっていたんでしょうか。