G7で決まったことって何だっけ?
中川元大臣の記者会見に関する報道はすさまじいものがありました。その影に隠れて肝心の共同声明などがあまりクローズアップされなかったのではないかな、と感じます。(もちろんそんなに至る直接の引き金となったのは記者会見ですが。)では、あの数日間に何が決まったかと言いますと。
そもそもあの日にあった会議は?
- 7カ国財務相・中央銀行総裁会議
場所は?
- イタリア・ローマ
参加した国は?
- 日本、ドイツ、イギリス、アメリカ、フランス、イタリア、カナダ
経済を正常な流れに戻すために合意された3つのアプローチとは?
- 伝統的な及び新設の仕組みやファシリティーを通じた●●●及
び●●●●の向上 - 権限ある●●の査定に基づく個々の金融機関の●●●●の強化
- ●●●●の秩序ある処理の促進。
- 1.『流動性』及び『資金供給』
- 2.『権威ある』,『資本基盤』
- 3.『不良資産』
『当初は●●の混乱であったものが、今や●●●●をも捉え、世界中
に広がっている。』混乱は何から始まり何に至った?
- 金融
- 実体経済
『厳しい減速は、既に大規模な●●●●をもたらしており、2009 年の●●●●●続くことが見込まれる。』景気減速でどんな影響が見られる?ひとまず2009年のいつまで続きそう?
- 雇用喪失
- 大半を通じ
声明より。『我々の財政政策は、その効果を増進させる以下の原則に則っている。』
- ●●●及び●●な実施。
- ●●●●と●●●●を刺激し、最も脆弱な人々を支援するための、●●と●●●●の適切な組合せを含むこと。
- 重点を定めた●●により構造的弱点に対処し、長期的な成長見通しを向上させること。
- 中期的な財政の●●●●●と整合的であり、概ね『●●●』な措置によること。
- 1.『前倒し』及び『迅速』
- 2.『国内需要』と『雇用創出』、『歳出』と『税制措置』
- 3.『投資』
- 4.『持続可能性』
『また、我々は、G7以外の世界中の国々の迅速なマクロ経済上の対応を歓迎し、評価する。特に、我々は、●●(国名)の財政措置及びより柔軟な為替レートへの移行に対する継続したコミットメントを歓迎する。これらは、実効ベースでの●●●(上の国の通貨単位)の継続した増価をもたらすとともに、●●(上と同じ国名)経済及び世界経済全体のより均衡の取れた成長の促進に寄与する。』どこの国のこと?
- 中国
- 人民元
声明より。『我々は、強固かつ安定した国際金融システムが我々の共通の利益であることを再確認する。●●レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与える。我々は、引き続き●●市場をよく注視し、適切に協力する。』
- 為替
声明より。『開かれた世界貿易・投資システムは、世界の繁栄に不可欠である。G7は、経済の減速を加速させるだけの●●主義的な施策を回避し、新たな貿易障壁の導入を控え、●●●・ラウンドの迅速かつ野心的な妥結に向けて取り組むことに、引き続きコミットする。』
- 保護
- ドーハ
声明より。『G7はまた、●●国・●●国による信用と貿易金融へのアクセスを支援し、民間の資本フローを再開させる必要性を強調するとともに、●●●●●●●●を通じるものを含め、この支援を強化するための方策を緊急に追求することにコミットする。』
- 『新興』国・『途上』国
- 国際開発金融機関
声明より。『今回の危機は、国際金融システムの基本的な弱さと喫緊の改革の必要性を明らかにした。我々は、現在の危機に効果的かつ柔軟に対応するため、追加的なリソースを与えられ、改革された●●●(機関名)が必要不可欠であることに合意する。これに関連して、我々は、●●政府(国名)が●●●(上と同じ機関名)との間で貸付の合意に達したことを歓迎する。』
- IMF
- 日本
声明より。『●●●と拡大された●●●●●●●●●●(FSF)との協働の強化は、マクロ経済-金融リスクの適時かつ信頼に足る評価方法の開発のために特に重要である。我々はまた、●●●●及び●●●●●●●●が、そのリソースを有効に利用して、危機により影響を受ける新興国・途上国への資金供給に貢献することを歓迎する。』
- IMF
- 金融安定化フォーラム(FSF)
- 世界銀行
- 地域開発金融機関
さて。この原本はどこで見られる?
- 新着情報:財務省 <http://www.mof.go.jp/sinchaku.htm>
自分はこの一連の報道で反対に「そもそも決まった内容はなんだっけ」と思い、それが財務省からリリースされた原本にあたる調べるきっかけになりました。中国の成長に期待します、というのも日本がIMFに貸付がどうたらこうたらというのも調べてやっと認識しました。確かIMFの下りについては例の会見で何度も何度も聞いた部分だったのですが、文脈には注意を払っていなかったことに気づいて驚きました。あらためて映像を確認してしまいました。議事録はこちらです。財務大臣等記者会見:財務省 <http://www.mof.go.jp/kaiken/kaiken_my20090214.htm>
インターネット環境がない人にとっては新聞やテレビが重要な情報源ですが、インターネット環境がある人はもはやテレビや新聞とは比べ物にならないほど便利に色々なことを調べる事ができます。上の共同声明であれば、好きな時間に、省庁系の発表であれば原本を参照できて、場所を取らずに保存できて、気になる単語はすぐに調べて、ネットユーザ同士で意見交換をできる、という環境にあります。
確かにそういった部分では報道は役割を変えなくてはいけないでしょうが、変わらず大切な部分もあると思います。最近、カメラマンの不肖・宮嶋こと宮嶋茂樹さんの本を何冊か読みました。戦場に立つカメラマンとは命の危険に晒されることだけが大変なのかと思っていましたが、現地で水や食料を調達しなくてはなりませんし、交戦状態の国に入国したりビザを取ったり、数十キロの機材を壊さず移動したりという部分でもすさまじい努力が必要ということを知りました。
今回のG7では、まず随行の記者の方は取材計画を立てたり、移動手段を確保したり、取材要綱を調べたりと大変な苦労をされたのではないかと思います。また、そうやって作られた元ネタや、省庁がリリースするPDFから編集するだけのような、(実情はどれほど大変なのか知りませんけれども)素人考えではそれほど体力のかかっていなそうに見える頭脳労働系の仕事もあり、また一方では(想像上の記者イメージに基づきますが)スキャンダルの香りに誘われて現地の博物館やレストランで聞き込みをしまくる体力勝負の記者もいたんではないかと思います。
メディアも消費者に「買われる」ことで経営を成り立たせています。省庁発表をそのまま垂れ流したり、外国の通信社の発表をコピペするような記事ばかりのメディアは「買わない」ことでNoを突きつけなければ簡単にネタを入手できる記事ばかりになってしまうかもしれません。最近のテレビ局や新聞社の経営悪化はそういった傾向を現しているのではないでしょうか。