クレジットカードの不正使用を検知する
昨日、落とした財布が4ヶ月ぶりに手元に戻ってきました。財布を落としたときに真っ先に行ったのがクレジットカードの利用停止の手続きでした。クレジットカード会社に電話すると、カードを落としたのは何時頃ですか?と聞かれました。落としたと思われる時間帯を申告すると、その場で利用履歴を調べて「最後の利用は●月●日ですから不正利用は心配ありません」と教えてくれました。その直後に利用停止をしてもらいました。
このようにカード紛失を自己申告しなくても、カードの不正利用と思われる取引があった場合はクレジットカード会社が勝手に決済を止める事があるそうです。某カード会社に勤める友人は、不正利用検知に特化した部門を担当していると言っていました。なお、彼はそのシステムが誤作動してしまったときに「お前んとこのカードはどないなっとんのやー」と苦情の電話を入れてくるお客様に対して謝るという誠実な仕事をしています。
彼から聞いた話によると、不正利用じゃないか?と判断するための取引パターンというのが想定されており、それに合致する取引を行うと決済ができなくなるそうです。そのパターンというのは、だいたいが何らか条件を満たした状態で高額商品を買うことだそうです。例えば朝早くに駅近くのコンビニでお茶を買ってから、新幹線などの高額回数券を購入すると、カードが切れなくなることがあるそうです。これは、酔っ払って失くしたりスリに盗まれたりしたカードが使用される状況を想定しています。
不正に手に入れたカードは、いきなり使用することに躊躇してしまいます。限度額がいっぱいかもしれないですし、既に解約してしまっているかもしれません。そのように切れなくなっているカードを、駅の窓口など誰かと会話して取引を行うような場所で使うと怪しまれてしまうかもしれません。しかしコンビニは混雑していることと、店員と客の触れ合いが少ない事もあり、使えないカードを切ってしまってもあまり目立ちません。そのため、犯人はまずコンビニに立ち寄ってカードでお茶を購入する等してアクティブなカードである事を確認し、朝イチの駅の窓口で高額な回数券を購入し、それを金券ショップで現金化するという流れを好むそうです。なお、朝イチの駅の窓口が好まれるのは、金券ショップを介して回数券を現金化できる事と、持ち主がカードを失くした事に気付く前にカードを使ってしまえるという事があるからだそうです。
これを聞いたのは数年前の話ですので今も同じ検知アルゴリズムが採用されているかわかりませんが、今もこのようなやり口を好むカード盗がいるかもしれません。そのように考えると、カードを失くしたことに気付いたら「明日の朝イチで良いか」と考えずにすぐにカードを止めたほうが良さそうです。
ちなみにシステムが誤って正常なカード決済を止めてしまった場合に利用者が特に怒るケースは、意中の異性の前でカードを切るような場合だそうです。デートで高級レストランに行った時や、ブランドショップでアクセサリーをプレゼントに購入した時にカードが切れずに待たされてしまったらカッコ悪いですよね。テレビで「カード払い=カッコいい」というようなイメージCMが流されることもあり、特にゴールド以上のステータスシンボル的なカードによる支払はカッコよく見えます。恋人の前でカードが拒絶されたら、「この人カード地獄なのかしら?」と誤解されてしまうかもしれません。だからと言って恋人の前で苦情の電話をするというのも見栄えが良くないと思います。デートの完璧を期すならばそういう不慮の事態も想定して、カードは2枚以上持ちたいですね。