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シンガポール、世界から優秀な人材が集まるASEANの有能人材の憧れの国。

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古くから物流ハブとしてアジアの中で位置づけられていたシンガポールは、独立以降、ASEANの金融センターを目指して成長してきました。

そして世界中から、トップティアの企業がアジア・パシフィック地域におけるヘッドクォーターを、設置するようになっていった経緯の中で、より地位や収入の高い職・条件を求める、いわゆる高度人材がシンガポールに集まるようになったのは自然の理といえると思います。

世界の先進国のなかでも、安くおさえられている累進所得税率も、高度人材には魅力です。

例えば、日本のプロ野球選手の助っ人ガイジンの様に、働く場所が日本国内に限定されている場合は、どれだけ所得税率が高くても、ある意味、日本で働いていること自体が価値の本質なので、日本にて所得を計上せざるを得ません。

が、為替のディーラーやベストセラー作家のように、物理的な所在地を選ばないような職業であるならば、家族も含めてきわめて安全で、文化的も快適に生活のできるシンガポールは魅力的な環境といえると思います。

もちろん、多様性を寛容する国家の姿勢が、宗教や人種の差異と区別を明確にし、差別を排除しており、それが移り住む多くの外国人を惹きつけています。
(実際、経済的成功を果たした、多くの優秀なインド人たちが、己の出自に紐付いたカーストの階位から開放されて、シンガポールにて暮らしています)

いっぽうで日本政府が3月30日に国会に提出した消費増税関連法案は、消費税率の引き上げに加え、所得税と相続税の最高税率を引き上げることで高所得層や富裕層への課税を強化する内容となりました。
この結果、所得税は45%の最高税率区分を新設し、課税所得5000万円(給与収入5536万円)超の人に適用されることとなりそうです。

所得・相続税も最高税率上げ 消費増税法案富裕層課税を強化 消費税「逆進性」に配慮

これまでの最高税率は40%で1800万円超が対象でしたが。2015年分の所得からは、この最高税率が適用されることとなるのです。

各国の所得税の最高税率は米国35%、フランス41%、ドイツ45%、英国50%などです。45%にすれば、日本は欧州並の最高税率となることとなります。

・・・たとえば、年俸2億円の日本のプロ野球の選手は、この最高税率が適用されるため、実際の手取り額は、地方住民税を勘案すると実質的にはその半分以下となります。

一方で同額相当の給与所得のあるシンガポール在住のファンドマネージャーは最高税率の20%が適用されたとしても、4000万程度しか納税はありません。差し引き1億6000万円が手元に残るというわけです。コレは大きな差といえるでしょう。

シンガポールにやってくる金融系の外国人ディーラーや、雇われの高級CEOたちは、プロ野球の助っ人ガイジン並に一年一ヶ月が結果成果を問われる『プロフェッショナル』、
成功報酬も含めると、きわめて給与のブレ幅のおおきな職務となります。
彼らは結果が出なければ、即解雇、まさに天国と地獄並みの落差のある実力社会が実現している国なのです。(シンガポールは解雇に関しての規制がない)

その背景の一因が、低く抑えた最高税率といってもよいでしょう。
彼ら傭兵たちは、自らのキャリアのピークにあわせて、シンガポールにて『自分を高く売る』というゲームを仕掛けてきています。

そして雇う側もそれを心得ているのです。だから、こそ、世界最高峰の優秀な人材を確保できるチャンスが、シンガポールにある、とも思うのです。

もちろん、更にまた英語が公用語として整備されていること、永住権付与や外国人の労働のビザ制度が明確に存在していることも有能な外国人を集める大きな要因です。

シンガポールは独立開業者、あるいは起業家にとっても最良の場所、といわれています。

国際金融公社と世界銀行が毎年発表している「ビジネス環境の現状」調査では、シンガポールが「ビジネス環境の規制緩和総合ランキング」で6年連続第一位となっています。
シンガポールは世界レベルで、起業家にとって最も友好的環境な場所である、といえるでしょう。(ちなみに米国は4位、日本は第20位)

シンガポール。そこは、いままでの商品としての自分の価値を高めてきた世界級の人材が、自らのキャリアを更に高めるべく、チャンスを掴みに来る国なのです。

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追記(2012.5.23)
山城直樹さんより、シンガポールの所得税率について正確な情報が届きましたので、以下、原文のまま記しておきます。山城さん、ありがとうございました。

遅くなって申し訳ありません。あと、単純に所得に税率をかければいいのではありません。最高税率が適用される32万SGD以上の所得の場合、32万SGD分は固定で所得税42,350SGD(約13.23%)で、それを超える分に対して20%課税されます
https://twitter.com/NaokiYamashiro/status/205153528669417473

例えば35万SGDの所得の場合は、42,350SGD+(35万-32万)×20%SGD=48,350SGDとなります。しかし2億円もの場合は、20%適用の割合が大きいので、加藤さん記述の通り、およそ4000万円「程度」としてもよいと思います
https://twitter.com/NaokiYamashiro/status/205155152712314881

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