軍服どころの騒ぎではない、様々な示唆を与えてくれる映画『帰ってきたヒトラー』
アイドルグループ・欅坂46が10月22日にコンサートで着用した衣装が「ナチス・ドイツ」の軍服を思わせるデザインでったと物議を醸した件に関連して
こんなエントリをアップしました。
わたしは残念ながらその存在をこの12月のレンタル開始まで知らなかったのですが、『帰ってきたヒトラー』という映画が2016年6月に日本でも公開されていたのですね。
もとはティムール・ヴェルメシュが2012年に発表した風刺小説で。現代のドイツに蘇ったアドルフ・ヒトラーが巻き起こす騒動を描いた作品でドイツではベストセラー作品となっているとのこと。
こちらの映画注目すべきはヒトラーに扮した主演俳優 オリヴァー・マスッチがベルリンなどドイツ各地で市民と会話するシーンが登場することです。
画像出典:映画『帰ってきたヒトラー』公式サイト - GAGAより
このあたりについてwikipediaにはこんな解説が、
映画ではヒトラーが市民と会話するシーンがあるが、これはヒトラーに扮したマスッチが実際にベルリンなどの街中に現れ市民と対話するアドリブ形式で撮影されており、撮影の際にはマスッチが襲われる可能性を想定しボディーガードが同伴した。
実際には忌避されるよりも好意的に接してくる市民の方が多く、撮影期間中に2万5,000回自分撮りをされ、「まるでポップスターだった」と語っており、ヒトラーへの忌避感が薄れていることに驚いたという。
一方、ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェルで撮影を行った際にはドイツ国家民主党(NPD)の集会に参加したが、その姿と言動を見た党員と揉めた挙句、騒ぎを聞きつけた極左構成員や記者が加わり集会は混乱状態になった。最終的にはNPD党員と打ち解け、80人程の党員とバーに行くことになり、その際に党員から「あなたがいれば(党勢を)拡大できる」と言われたという。
冒頭ではアイドルグループ欅坂46の問題に関連して紹介させてもらいましたが、この映画、製作当時に問題となっていた難民流入問題を取り上げており、イギリスのブレグジット、アメリカのドナルド・トランプ氏の大統領選出などが現実となったタイミングで鑑賞することで様々な示唆を与えてくれる作品となっています。
機械のと競争を書いたアンドリュー・マカフィーも中間層が没落することの危険性に触れています。ですが学歴が低く、肉体労働などに従事する確率が高い人たちをどのような形で助けることができるのかは不明だとこちらのビデオで語っています。
これまで十分にはケアされてこなかった中間層の存在と「人類はかつてないほど危険な時期を迎えている」とホーキング博士が警告している記事はこちらに掲載されいます。
日本でも田中角栄氏の回顧本が多数出版されていますが、一億総中流という意識は田中角栄氏が総理を務めてたい1970年代の日本国民の大多数が認識していた意識でありこの辺の関連性には興味深いものがあります。
さまざまな示唆を与えてくれた『帰ってきたヒトラー』この年末年始の休みにもう数回見直してみたいと思います。