ロイヤルホストの24時間営業廃止報道にみる、30~40年くらい前とは明らかに違う方向に世の中進み始めている感
日本は第二次世界大戦の敗戦から高度成長期があってバブルが崩壊するあたりまでに作り上げてきたモデルには、復興に始まり、石油ショックで紆余曲折ありつつも、進化・進歩であったり、より豊かにとか、より便利・快適にというようなキーワードで世の中が引っ張られ、その中には年中無休、24時間営業のような利用者からすると非常に便利なサービスも続々登場してきました。その極みがバブル時代だったと言えるかもしれません。
その後IT技術の進歩で便利さはまた別な次元に突入していく訳ですが、わたしが子どもだった40数年前は、お店は18~19時くらいになれば閉まり、デパートは火曜か水曜が定休日で閉まっていました。そして青森の田舎では24時間営業なんて想像もつかなかったように思います。(中学・高校時代になって所ジョージのオールナイトニッポンで吉野家から中継していたことをふと思い出しましたが、、、)
宅配ピザが登場して間もない時期は30分以内の配達を売りにしていた気がします。さまざまな事情からこの宣伝文句は現在あまり使われていないようです。
また、宅急便は個別に集配すること自体が業界的には革命的であったわけですが、さらにサービスレベルは進化しクール便やらゴルフ便のようなサービスが登場しつつ、再配達や時間指定を守るためにどれだけ労力がつかわれているだろうと思います。
24時間営業のコンビニに強盗が頻発した時代であったり、低価格でありながら美味しい食事を提供してくれるファーストフードチェーンのワンオペが問題となった時期もありました。
生産可能性フロンティアという考え方を踏まえると、良いものを作るにはコストが必要というのが欧米を含めた社会全般で通じる考えかたですが、戦後の日本は良いものを安く提供するという、ある面において矛盾を抱えた製品・サービスをさまざまな工夫をしながら課題を乗り越え実現させてきました。
ただ物事には良い面と悪い面はかならず存在するので、そこには何かしらの制度不良的なものが内在はしていたと皆が考えていたのではと思います。
ここ最近、ワークライフ・バランスだったり、ワークスタイル変革というワードが急激に流行の兆しとなっている気がします。
この議論の中で、社会構造面で矛盾というか、違和感を感じることも多いのですが、今日見かけたこのニュースは30~40年くらい前とは明らかに違う方向に世の中進んでいることを感じさせるニュースです。
さきほど触れた生産可能性フロンティアの原理原則に沿って考えていくと、長時間労働の問題やワークライフ・バランスだったり、ワークスタイル変革を本当に実現しようとしたら現在手にしている便利さを一部手放す必要があるのではないでしょうか。
そういう意味で、このニュースは参考にすべきことが詰まっているニュースだと感じました。
いうならば、歴史に学ぶことであったり、過去の事例を参考に思考して答えを探すことが有用な領域が無くなりはしないでしょうが、これまでとは別な視点からの思考が必要とされているとも改めて感じたのでした。