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Yagishita's alternative blog

閲覧制限はイントラブログの必須機能なのか (続き)

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吉田 賢治郎さん、ゆきちさん、にしださん。コメントありがとうございました。コメントへのレスが遅れてしまいましたが、貴重なご意見に感謝しています。さて、みなさんのコメントについて、考えたことをまとめます。

「くだらないことを書くなといわれる」から閲覧制限か

「くだらないことを書くなといわれる」という不安があることはよくわかります。以前、あるお客様がイントラブログを評価した際に、「業務に関係が全く無いといえる、オフタイムのことばかり書いていて、業務に効果がだせない。」という結論をだされたことがあります。

確かに、業務の報告や気づいたことを伝える(連絡)している中に、飲み会に代表されるオフタイムの話があったりすると、玉石混淆の状態で意味が無いといわれても仕方ががありません。しかし、企業のインフラといっても過言ではない電子メールでも同様に、業務報告や連絡とオフタイムのメールがメールボックス内に混在するでしょうから、玉石混淆の状態ですよね。(もしも、自分のメールにはオフタイムのものは無いという方がいたらごめんなさい。)

これは、ウェブというメディアを意識した情報の整理ができていないためによる不幸な結果だと思います。電子メールやインスタントメッセージングは、情報の発信者が、伝える相手を選択してから発信するのに対し、閲覧制限のかかっていないブログは読者を選択できません。ウェブの世界で、この玉石混淆の状態を回避するには、Yahoo! JAPANのように、適切なキーワードによる分類がよくおこなわれます。ブログには、「見出し用紙」のようにきっちり分類する「カテゴリー」や「付箋紙」のように柔軟に分類する「タグ」があるので、「情報へのアクセス、ナビゲーション」を設計することで、ある程度解決できるのではないかと思います。

とはいえ、分類した記事の中でも特定のメンバーにのみ公開したいというニーズもあるでしょう。シックス・アパートのVoxでは、記事や記事の中の画像や動画等について閲覧制限を指定できますしね。ブログ単位で閲覧制限をかけるというより、記事単位で閲覧制限ができる機能が、イントラブログにも必要だということなのでしょうね。

「見られていると思うと投稿できない」という不安

「何をどう書いていいかわからない」「社内ブログ炎上が怖い」などのネガティブな部分だけを見るのではなく、「見られていることのメリット」もあることを忘れてはいけないと思います。

私事ですが、「見られていることのメリット」を強く感じたことが去年ありました。、ちょうど1年前ですね。シックス・アパート社内のイントラブログで、柳下の投稿がぴたっと止まった時期があります。Movable Type 3.3のオンライン・ヘルプの作業だったと思いますが、リリース前の佳境だったんですね。作業場所が異なることもあったのでしょう。社長の関さんが気になって、声をかけてきたことがあります。

あくまでも一例ですが、多忙なときに投稿が滞ることは自然なことで、そういった状況に声をかけてもらえるというメリットもありますね。実際に気持ちが楽になりましたから。

情報をさばく力や、文章力を高めるためにもブログは必要

特定のメンバーに対して情報を伝える手段は、電子メールやインスタント・メッセージ、グループチャット等、どれを利用するか迷うほどあります。そういった中でイントラブログに期待するものは、ブログ単位の閲覧制限よりも記事単位の閲覧制限なのでしょうね。記事単位で閲覧制限を実現するには、「誰がアクセスしているのか」という認証も必要ですし、「誰に見てもらいたいか」を簡単に指定できるインターフェイスも必要でしょう。これらは技術的に解決できることばかりですが、「くだらないことを書くなといわれる」や「見られていると思うと投稿できない」という不安は、程度の差はあれ残ることは間違いありません。

それよりも、情報をさばく力や文章力を高めるためにも、ブログを経由した発信を継続することが重要だと思った、ヤギシタでした。

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