スティーブ・ジョブスをめぐる大学の3つの点:リード、スタンフォード、カレッジトラック
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この遺族の声明は、ローレン・パウエル・ジョブスさん/Ms.Laurene Powell Jobsが書いたのだろうか。
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Steve died peacefully today surrounded by his family.
In his public life, Steve was known as a visionary; in his private life, he cherished his family. We are thankful to the many people who have shared their wishes and prayers during the last year of Steve's illness; a website will be provided for those who wish to offer tributes and memories.
スティーブは今日、家族の見守る中安らかに旅立ちました。スティーブは公にはビジョナリーとして知られましたが、プラベートには家族を慈しむ人でした。スティーブが病に冒された昨年以来、願いと祈りを共にして頂いた、たくさんの人びとに感謝をいたします。そのお言葉と思い出を頂ける方々のためにウエブサイトを準備いたします。(遺族の声明)
2011年8月24日の発表の時も、その後も姿を現さないので、もしや...と思いつつぼくは『スティーブ・ジョブスからの手紙への"返信"を考えてみた』を書いた。やはり、だった。ずいぶんと地球を楽しませてくれた。どうもありがとう。
エッセイでジョブスのスタンフォード大学卒業式のスピーチに触れた。あの有名なスピーチは"No big deal. Just three stories"(大げさなもんじゃない。3つの物語さ)で始まる。3つの物語の最初は"connecting the dots(点を結んで)"だった。大学退学、カリグラフィ(書)との出会い、パソコンのフォントの開発など、関係がなさそうな点と点が結ばれるという話だった。そこでジョブスをめぐり、「大学を結ぶ3つの点」について書きたい。
まず最初の点は、彼はリード大学をドロップアウトしたこと。
生まれたジョブスは養子に出され労働者階級の家庭に育った。つましい暮らしの家庭なのに授業料がバカ高いリード大学に入学した。だが半年後、その大学にいることに価値を見いだせなくなった。見つけられるかわからないのに、両親が全生涯をかけて働いて貯めたお金を使い果たそうとしている。そう考えて退学した。
最初の点は、親への思いやりと自分らしさをつらぬいた深い思いからだった。
2つ目の点は、スタンフォード大学でのスピーチで彼女と知り合ったことだ。
1990年、スタンフォード大学に呼ばれてスピーチをしたとき、一番前の列に座っていたローレンを発見した。一目惚れらしい。気になっていたがその夜、ビジネスディナーがあった。仕方ないとクルマのドアに鍵を挿し込んだとき、「待て、今日が地球最後の夜だとしたら、俺はビジネスディナーに行くか?」 そう考えて駐車場を後にして、彼女を見つけた。ディナーに誘った。答えはイエスだった。
この2つ目の点は、3つ目の若者支援の点にもつながった。それは"College Track"である。
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カレッジトラックとは、貧困のせいで、あるいは家庭問題で、高校に満足に行けない子供を助けて、カレッジやユニバーシティへの進学を支援する民間団体のプログラムである。支援には4つのメニューがある。カレッジに進学できる学力を身につけるプログラム、どんな職業に就きたいか、そのために何をすればいいか相談にのるプログラム、奨学金をもらえるようにがんばらせるプログラム、そして財団による金銭面の支援のプログラム。
この団体の共同設立者はMs.Laurene Powell Jobs、ジョブスの妻なのである。もちろんジョブスも寄付をしている。
彼は自分が果たせなかった大学卒業を、同じような境遇にある若者たちを直接支援することで、実現しているのだ。1998年以来、毎年数百人にプログラムを提供してきた3つ目の点は、すでに大きな「面」になっている。
3つの点が一致するのは大学である。リード大学、スタンフォード大学、そして全米の大学。ジョブスの、ローレンの、そして多くの子供たちの人生を変えた。
誰もが「自分の3つの点」を持っている。バラバラに見えて、実はつながる、自分の人生を決定的にする点を持っている。ぼくのそれを書いておこう。20代のあたまに文章を書くのを一度諦めた点、それから約25年後の2006年の6月下旬、ブログを書き出した点、そして2010年に"ことば"という名前で会社をつくってブレないようにした点。3つ目は相棒cherryさんの命名で、恩を感じている。
ある瞬間、関係なさそうな点と点が結ばれる時がくる。つかまえられるか。つかまえようとするか。タイミングも諸事情もある。諦める人もいる。点と点をつなげて、ほんとうにやりたいことを、誰よりもたくさん、自分らしくやりたい。そうあるべきだと思う。ジョブスの点をつなぐ話は、それを忘れそうになったとき勇気を与えてくれる。
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そして地球上が今、ジョブスを偲ぶ無数の点と点で結ばれている。ありがとうジョブス。Stay hungry, Stay Foolish, and Stay Peacefully in Cloud.
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Steve died peacefully today surrounded by his family.
In his public life, Steve was known as a visionary; in his private life, he cherished his family. We are thankful to the many people who have shared their wishes and prayers during the last year of Steve's illness; a website will be provided for those who wish to offer tributes and memories.
スティーブは今日、家族の見守る中安らかに旅立ちました。スティーブは公にはビジョナリーとして知られましたが、プラベートには家族を慈しむ人でした。スティーブが病に冒された昨年以来、願いと祈りを共にして頂いた、たくさんの人びとに感謝をいたします。そのお言葉と思い出を頂ける方々のためにウエブサイトを準備いたします。(遺族の声明)
2011年8月24日の発表の時も、その後も姿を現さないので、もしや...と思いつつぼくは『スティーブ・ジョブスからの手紙への"返信"を考えてみた』を書いた。やはり、だった。ずいぶんと地球を楽しませてくれた。どうもありがとう。
エッセイでジョブスのスタンフォード大学卒業式のスピーチに触れた。あの有名なスピーチは"No big deal. Just three stories"(大げさなもんじゃない。3つの物語さ)で始まる。3つの物語の最初は"connecting the dots(点を結んで)"だった。大学退学、カリグラフィ(書)との出会い、パソコンのフォントの開発など、関係がなさそうな点と点が結ばれるという話だった。そこでジョブスをめぐり、「大学を結ぶ3つの点」について書きたい。
まず最初の点は、彼はリード大学をドロップアウトしたこと。
生まれたジョブスは養子に出され労働者階級の家庭に育った。つましい暮らしの家庭なのに授業料がバカ高いリード大学に入学した。だが半年後、その大学にいることに価値を見いだせなくなった。見つけられるかわからないのに、両親が全生涯をかけて働いて貯めたお金を使い果たそうとしている。そう考えて退学した。
最初の点は、親への思いやりと自分らしさをつらぬいた深い思いからだった。
2つ目の点は、スタンフォード大学でのスピーチで彼女と知り合ったことだ。
1990年、スタンフォード大学に呼ばれてスピーチをしたとき、一番前の列に座っていたローレンを発見した。一目惚れらしい。気になっていたがその夜、ビジネスディナーがあった。仕方ないとクルマのドアに鍵を挿し込んだとき、「待て、今日が地球最後の夜だとしたら、俺はビジネスディナーに行くか?」 そう考えて駐車場を後にして、彼女を見つけた。ディナーに誘った。答えはイエスだった。
この2つ目の点は、3つ目の若者支援の点にもつながった。それは"College Track"である。
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カレッジトラックとは、貧困のせいで、あるいは家庭問題で、高校に満足に行けない子供を助けて、カレッジやユニバーシティへの進学を支援する民間団体のプログラムである。支援には4つのメニューがある。カレッジに進学できる学力を身につけるプログラム、どんな職業に就きたいか、そのために何をすればいいか相談にのるプログラム、奨学金をもらえるようにがんばらせるプログラム、そして財団による金銭面の支援のプログラム。
この団体の共同設立者はMs.Laurene Powell Jobs、ジョブスの妻なのである。もちろんジョブスも寄付をしている。
彼は自分が果たせなかった大学卒業を、同じような境遇にある若者たちを直接支援することで、実現しているのだ。1998年以来、毎年数百人にプログラムを提供してきた3つ目の点は、すでに大きな「面」になっている。
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3つの点が一致するのは大学である。リード大学、スタンフォード大学、そして全米の大学。ジョブスの、ローレンの、そして多くの子供たちの人生を変えた。
誰もが「自分の3つの点」を持っている。バラバラに見えて、実はつながる、自分の人生を決定的にする点を持っている。ぼくのそれを書いておこう。20代のあたまに文章を書くのを一度諦めた点、それから約25年後の2006年の6月下旬、ブログを書き出した点、そして2010年に"ことば"という名前で会社をつくってブレないようにした点。3つ目は相棒cherryさんの命名で、恩を感じている。
ある瞬間、関係なさそうな点と点が結ばれる時がくる。つかまえられるか。つかまえようとするか。タイミングも諸事情もある。諦める人もいる。点と点をつなげて、ほんとうにやりたいことを、誰よりもたくさん、自分らしくやりたい。そうあるべきだと思う。ジョブスの点をつなぐ話は、それを忘れそうになったとき勇気を与えてくれる。
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そして地球上が今、ジョブスを偲ぶ無数の点と点で結ばれている。ありがとうジョブス。Stay hungry, Stay Foolish, and Stay Peacefully in Cloud.
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