資格ブームについて考える その1
不況になると資格取得が流行ると言われますが、最近は特にその傾向が顕著なようです。一時期のように資格を持つと社内で優遇されるといったような動機よりも、会社に頼らず生きていくための術であったり、さらに切羽詰まった場合には失業して職を得るためといった人まで動機が変化している傾向が強いようです。
私も、この夏に資格試験を受け結果待ちです。なんせ高校受験以来の合否を判定されるテストで、かつマークシート世代でないので、試験の基本技術から学んだ感じで、いろいろと勉強になりました。その中で感じたことをいくつか書いてみたいと思います。
当然独学だけでは不安ですし、解らないことも多いのでいわゆる資格学校の通信講座や通学講座を受けて見ました。学校によって特色があるものの、一番の問題は資格を取得してもバラ色の道があるわけではないとうことを始めに教えないことは共通しています。まあ、そんなことを言ったとたんに受講生が減ってしまうと思いますし、その部分をカバーするために職業紹介のようなことも並行して行っている努力はある程度認めざるを得ません。
肝心なことは、資格を取っても、お客さまが勝手にその人のところに来るわけでなく、ある程度の見込みやビジネスの勝算がなければ、資格自体は意味をなさないことが多いということだと思います。つまり、多くの場合資格を取得すること自体が目的化してしまい、資格を使って何をしたいのか、実際にできるのかということを考えずに資格をとることが一般化していることです。
TVでも仕事のない弁護士の特集をやっていましたが、司法試験がその最たるものになりつつあると思います。かえって趣味の要素をもっている資格のほうが、資格取得後に自分の仕事やキャリアに役に立ったりするケースのほうが多いのではと感じます。
次回以降に書きますが、資格を取っても、それでその資格に応じた仕事ができるわけでなく、資格を使って仕事をするためには、それなりの資格外のスキルも同時に持っていることが必要です。趣味の要素の場合には、そもそもその対象資格に関連した別のスキルがある場合が多いと思いますので、活用が容易なのでしょう。
例えば私の使っていたLECでは、合格者がその翌年講師をしている教材を販売していましたが、資格を持っていても教えるスキル(プレゼンテーションを含む)が全くないため、はっきり言って役に立たない講座になっていました。
資格を取って活かすためには、①資格で何をやりたいかを明確にする、②やりたいことができる環境にあるか予め考える、③資格を使ってやりたいことに必要な他のスキルが身についているか考える、という3点を始めに検討しておいたほうがよいと強く感じました。