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新入社員を”問題児”にしないために

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新入社員の世代が替わる毎に、世代間のコミュニケーションは難しくなっていきます。以前であっても世代間の考え方の違いは存在しましたが、会社の中での規律、そしてなによりも仕事を行なっていくためのルールに則っていない人は自然と弾き飛ばされる仕組みになっていたためさほど問題となることもありませんでした。

いつの時代からか、段々と新しい世代の新入社員を特別視し、その年代に特徴的な考え方に理解を示すことで、人材の定着を狙うようになってきました。就職が売り手市場の時代が続いたからでしょうか、それとも人材の流動化が激しくなり定着率が低下したからでしょうか。理由は様々だと思います。

そんな中で、若い人でもきちんと既存の仕組みにも対応でき、仕事の成果を出し、その上で新しいことにチャレンジしていく優秀な人もいます。従って、単に世代が異なるから、考え方が違う、扱いを変えなければいけない、さらには理解をしなくてはいけないということだけでも無いと思います。環境や考え方がどんなに変わっても、仕事の上で優秀な人はそれなりの考え方と行動様式を満たしているのだと思います。

「俺様社員をどうマネージメントするか」という本が最近出版されましたが、その中で非常に重要なことがいくつか指摘されています。著者は、研修などを通じて若手の育成に参画しているようですが、その指摘の内容はもっともであり、ある意味でこれまで様々なコーチングや人材育成の本が出版されていますが、それ以前の理解として一読する必要があると思います。

指摘の中からいくつかピックアップしますと

  1. 社会人2年目までは厳しく育てる(甘やかさない)、コーチング以前にティーチングを行なう
  2. 優秀な(となる)社員は、放っておいても育つ、問題は「自分はできる」と思っている社員である(そういう社員は見切ってしまうことも重要である)
  3. そして優秀な社員ほど基本に忠実である、よって若手にはまず基本を徹底的に反復させることが重要

といったことが書かれています。特に若手社員大勢とのインタビューから観察した結果は一読する価値があると思います。

後半になると若干精神論ぽいところもありますし、具体的な部分は(ノウハウでもあるのでしょうから)明確に書かれていませんが、考え方や観察の結果は人材育成を考える上で大変役に立ちます。また、同時に「仕事で評価されない」と感じたり、「仕事がつまらない」と感じる新入社員や若手社員の人にも一度読んでみていただきたい内容だと思います。

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